グーグル、アップル、マイクロソフトなどの世界を牽引する企業の採用試験に興味はありませんか?今回の無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』では、著者である土井英司さんが超一流企業が使っている論理的思考問題集をピックアップしています。

【ビジネスに役立つ難問集】⇒『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』

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『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』

野村裕之・著 ダイヤモンド社

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、グーグルやアップル、マイクロソフトなど、超一流企業が採用試験で出題している論理的思考問題をまとめた一冊。

ハーバード大学教授のロバート・カッツ氏が1950年代に提唱し、のちにピーター・ドラッカー氏が提唱した組織モデルにも組み込まれていたという、「10のコンセプチュアル・スキル」のうち、「トリプルシンキング」と呼ばれる「論理的思考(ロジカル・シンキング)」「、批判的思考(クリティカル・シンキング)」、「水平思考(ラテラル・シンキング)」を主に扱い、さらに「俯瞰思考」「多面的思考」が身につく問題も紹介・解説しています。

「10のコンセプチュアル・スキル」

(1)論理的思考

(2)水平思考

(3)批判的思考

(4)多面的思考

(5)柔軟性

(6)受容性

(7)知的好奇心

(8)探究心

(9)応用力

(10)俯瞰力

「消えた1000円」「2回目の競争」「逆風の飛行機」など、答えが直感に反する難問がいくつも出題されており、思考トレーニングに最適です。

試しに、批判的思考を養うための問題「消えた1000円」を見てみましょう。

「消えた1000円」

あなたは、2人の同僚と一緒にホテルに泊まりに来た。宿泊料は1人1万円、合計3万円を受付係に渡した。ところがその後、3人の場合、宿泊料は2万5000円だったと気づいた受付係は、5000円を返そうとした。しかし受付係は「5000円は3人で割れない」と考え、2000円をポケットにしまい、残りの3000円を3人に返金した。3万円を支払った後で3000円返ってきたので、3人は合計2万7000円を支払ったことになる。受付係がくすねた2000円を足すと2万9000円。残りの1000円はどこに消えたのだろう?

これは比較的易しい問題ですが、本書にはこんな感じのややこしい問題がいくつも出てきます。

恐ろしいのは、これらの問題・思考が、ビジネスシーンに直結しているということ。

人を選抜する時や交渉、オペレーション、情報が限られた中での意思決定など、リーダーに求められる思考が身についているか、セルフチェックできるのがポイントです。

また、「水平思考」以降のパートでは、追い込まれた時の問題解決・発想のヒント、人間関係の改善に役立つ思考・視点が説かれています。

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

伝統的に「問題解決」と呼ばれてきたものの多くは、じつはパズル解決である

論理的思考の基本は、「もし○○だったら……」と、仮定と検証を繰り返すこと

情報が少ない問題を考えるときの、セオリーがあります。それは、判明している事実から別の情報を得るというもの

「矛盾」を探そう

まずは基準を整える

まずは上限と下限の数値を求めてみると、手がかりが見えてくることがあります

抽象化することで、もっと少ないパターンに限定できないか

問題文は本当に正しいのか?

本当は無関係なのに見えない要因によって因果関係がありそうに見える現象が、擬似相関

無風のときよりも、風が吹いているときの方が飛行機の往復時間は長くなります

複雑な問題こそ、図や表にして視覚的に考えてみる

「変えてはいけない部分」を明確にすることで、それ以外の点において自由な発想ができるようになる

目の前にあるものだけが手がかりではない

普通の方法では実現できない「無謀な目標」を設定して考えてみると、おのずと突飛な発想をせざるを得なくなる

試行錯誤をしてみてダメだったら、潔く可能性を捨てることも大切

とっかかりがない場合は、ひとまず仮定で考えていく

複雑な状況でも、わかっていることを整理していくと選択肢が見えてきて、あらゆる情報がヒントに変わる

他者の行動の裏にある思考や意図も、大きなヒントにできる

遠い未来まで先読みが必要なときは、「小さい例」から考える

すべて解くとヘトヘトになりますが、妙な爽快感を感じる問題集です。

何度も解説を読み直さないといけない難問もありますが、挫けずに立ち向かうことで、論理的思考が身につくと思います。

どの問題も面白いので、決して飽きることはありません。

ぜひ、読んでみてください。

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