世間を賑わすビッグモーター不正問題で、長年同社の広告塔を務めた俳優・佐藤隆太さんがCM契約を解除したと公表しました。世間からは「佐藤隆太も被害者」といった意見がある一方で、「片棒担ぎ」を指摘する声も。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは今回、“企業の顔”でもあるタレント側の「判断の甘さ」について言及。過去にあった広瀬すず「レオパレス21」CM問題の例を引き合いに出しながら、その後の「懲りない」事例を心配しています。
ドラマへの出演が絶望的に……?保険金不正請求問題の『ビッグモーター』で6年半にわたって広告塔を務めた佐藤隆太の、“とばっちり”なのか“確信犯”なのかはわかりませんが、その動向が注目されています。
SNSでは―
「隆太は悪くない。むしろ被害者」
「スポンサーの不祥事で降板したのだから違約金を請求した方がいい」
という声がある一方でー
「片棒担ぎは疑う余地のないところ」
「6年半で3億円近いギャランティを貰っておきながら“何も知らなかった”では済まされない」
といったコメントも。
確かに6年半は長いです…“♪〜車を売るならビッグモーター〜♪”は、同時に佐藤の顔が浮かぶほどですからね。
タレントが企業キャラクターとして初めてスポンサー契約する際には、事務所なり広告代理店が“身体検査”をするのが常識だと言えますが、6年半もやっていれば契約は自動更新のような扱いで、“なあなあ”とか“ズブズブ”になってしまう場合もあるかもしれません。
特にタレントは指定された日時に指示された場所で、指示された通りのコンテで“仕事”をするだけですから企業の内情を把握していたとは到底思えないのですが、6年半は“ビッグモーターと言えば佐藤隆太”が出来上がっても仕方のない期間だと思います。
今、芸能関係者の間で噂されているのが、佐藤がこの影響で、“損保”系がスポンサーになっているドラマへの出演が絶望的になるのでは…という懸念です。
薬物や不倫等、タレント側の不祥事で契約解除となった場合は皆さんもよく見聞きするところでしょう…最近で言うところの広末涼子、永山絢斗でしょうか。
広瀬すずの『レオパレス21』事件今回の場合はこの真逆、企業側の不祥事でタレントが契約解除をせざるを得ないパターンですが、これで私が思い出すのは今から4年半前に起きた、広瀬すずがCM契約していた『レオパレス21』の事件です。
これは『レオパレス21』が施工したアパートの外壁や天井に、建築基準法に定められた耐火性能を満たしていない不備が発覚、住民約8,000人が一時退居を止む無くされたという事件でした。
朝の連続テレビ小説『なつぞら』を収録中だった広瀬は、これから日本の朝の女優となる顔に泥を塗られてしまったわけです。
この時もSNSではー
「すずに責任はないでしょ…」
「すずちゃんが可哀相…」
という声がある一方でー
「たくさんスポンサー料貰ってるんなら引越し代でも出してあげたら?」
「広瀬のCMで入居したのに…責任取れよ」
といったコメントが溢れました。
ちなみにその後の広瀬ですが、もう不動産会社との契約は懲り懲り…と思いきや、2年後に『三井不動産』と新契約を結んでいます…。
バッシングを受ける理由は“企業の顔”として契約してしまった判断の甘さこんな時代ですから、芸能プロダクションはできれば“断りたくない仕事”が大きなお金が動くCM契約です。
タレントの事務所は何年前からでしょうか、クライアントと事務所の契約書に“スポンサー側の不祥事により契約解除の場合”という文言を入れるようになりました。
佐藤が保険金不正請求の仕組みや、広瀬が建築基準法の細かい中身まで知っていたとは到底思えませんが、バッシングを受けるのは“企業の顔”として契約してしまった判断の甘さから。
タレント側も企業側も、不祥事の余波がどこまで世間一般に不快な思いをさせるのかを、改めて胸に手を当てて考えて欲しいと思います。
プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」
image by:ケイファクトリー公式サイト
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