21日、夏の甲子園準決勝 仙台育英(宮城)vs神村学園(鹿児島)の試合が行われ、6対2で前回王者・仙台育英が勝利した。X(旧Twitter)では、選手たちへの賞賛の他、「誤審」についての意見も相次いでいる。具体的には、仙台育英の選手がホームに帰ってきたタッチプレイで、アウトのようにも思えた場面がセーフになったこと。これに、「高校野球もリクエスト制度を導入すべき」「誤審のせいで試合の流れが変わった」などと、審判への批判が相次いでいるのだ。

プロにもある「誤審問題」

野球の審判による「誤審問題」はアマチュアだけにとどまらず、プロの世界にも存在する。18日に行われたDeNAvs阪神では9回、DeNA三浦監督のリクエストにより阪神の同点のチャンスが幻となり、阪神・岡田監督が猛抗議したことが話題となった。

高校野球の世界も同様で、不可解な判定は枚挙に暇がない。21日午前現在で準決勝に残っている慶應高校と横浜高校の神奈川県地区予選決勝では、ベースを踏んだ踏まないで誤審疑惑となり、野球ファンの間で大きな議論となった。

審判といえども人間のやることである以上、ミスは間違いなく出てくる。それは誰もが分かっているとは思うが、必死にプレーをする選手に同情する気持ちから、つい感情的な審判批判をしてしまう事情もよく分かる。

審判側の意見

だが、実際に地方大会の審判を務めるという男性はこう話す。

「結果的に誤審になってしまったケースは申し訳ないですし、そういう場合は審判もずっと後悔するもの。しかし、ネットで〈〇〇高校贔屓〉などと言われると、正直辛いものがある。例えば、強豪校vs公立の弱小校との試合では、弱いチームに肩入れしたい感情はあります。けれど、だからセーフをアウトと言ったり、またその逆も絶対にありません」

高校野球の審判は「ほほボランティア」で運営されているのはよく知られているところだ。

「だからといって真剣にやっていないわけじゃない。ちなみに、地方大会でも観客席から〈今のはアウトだろ〉〈クソ審判が〉などといったヤジが飛んでくるケースもあります。ただし、それで審判を辞めたいとは、多くの人間が思っていないはず。なぜなら、我々はプロ扱いされていなくても責任感を感じているからです。選手の我々も必死で、暑い中やっている。若い選手と比べて私なんかは老いぼれだから、頭がボーッとすることもあります(苦笑)。それでも、極力間違いのないようやっています。だから〈クソ審判〉〈贔屓〉〈辞めちまえ〉といった意見を目にするのは、正直ツライですね」

とはいえ、アマチュアプロに限らず、選手は懸命にプレーしており、審判の判断が選手のその後を左右するケースも少なくない。そのため、プロ野球で導入されたリクエスト制度をアマチュア界でも取り入れる意見や、そもそも審判のAI化を…といった声もある。

「私も元高校球児で、やっぱり野球に関しては、AIにのような機械に頼るのに抵抗がある。でも、今みたいにネットで批判され、時には審判の名前まで晒されることがあるなら、若い人の“なり手”は減るでしょうね。そうしたら、自動的にそういった方向に進むのは理解できます。悲しい話ではありますが…」(前同)

X(Twitter)の反応

3回裏 誤審シーン#仙台育英 #神村学園 pic.twitter.com/amZwk4pby9

— うわーッ! (@puriketsunainu) August 21, 2023

誤審のせいで仙台育英が叩かれるのほんと意味わからん。悪いのは球審とリプレイ判定を頑なに導入しない高野連だよ。批判の矛先を間違えるなよ

— ハイウェイ (@uromQmarusyo) August 21, 2023

このまま仙台が勝っても誤審で勝ったって言われるし、神村が負けたら誤審のせいって言われるし、誤審した審判は叩かれるだろうから誤審があると誰も気持ちよくない。リクエストがあればすべて救えたかもね。さすがに誤審で一発勝負の高校野球人生終わるのは酷。ここから神村が逆転すればまだましだが。

— おたっくん (@TaXuNXD) August 21, 2023

誤審のせいで仙台育英が勝った←これも意味わからん暴論 飛躍しすぎでしょ
誤審だったとして、それで勝敗が決まるわけではなく誤審がなければ「試合結果はわからなかった」だろ

— 野球人。 (@anininin_) August 21, 2023

誤審のおかげで勝ったとは絶対言えないけど誤審のせいで負けたのも事実。
神村も育英も審判も誰も悪くないけど審判で試合が変わる状況が変わるのおかしいな🥺🥺

— ガイア育成中(ramu) (@mod69300049) August 21, 2023

※本記事内のツイートにつきましては、X(Twitter)のツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

※18日のDeNAと阪神のジャッジに関する記述に誤りがあり、本文の一部を訂正しました。関係者の方々にお詫び申し上げます。(2023年8月21日、MAG2 NEWS編集部)

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