53歳の若さで亡くなったチベットの監督がグランプリを受賞して幕を閉じた『東京国際映画祭』ですが、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは、この映画祭で6年前に起きた「満島ひかり事件」を思い出したそうです。大御所カメラマンや大女優たちも巻き込んだ“ある騒動”の真相とは?

東京国際映画祭で思い出す満島ひかり事件と、外国人関係者No.1推しの三吉彩花

今年の『東京国際映画祭』は、2021年1月に公開された『羊飼いと風船』(邦題『気球』)が話題になったチベットの映像作家、ペマ・ツェテン監督の『雪豹』がグランプリに輝き幕を閉じました。

チベット映画の先駆者として、チベットの新人映画監督育成にも力を注いだツェテン氏でしたが、今年5月に53歳の若さで他界、グランプリ受賞も空の上から眺めることになってしまいました。

どこの国の映画祭でも、華やかに盛り上がるのはレッドカーペットを歩く役者たちでしょう。

10月23日に『東京ミッドタウン日比谷』で行われたレッドカーペットも、役者を目の前で、肉眼で見る事ができる数少ないチャンスということもあり、やはり大騒ぎでした。

役者にとってもレッドカーペットの上を、1度は着飾って歩いてみたいというのは夢の1つだと思いますから、その“晴れ舞台”を大事にしていると思われます。

今年の目玉は『正欲』の新垣結衣と、『らんまん』好評からの『ゴジラ-1.0』の浜辺美波でした。

『日比谷ステップ広場』に陣取ったグラビア・カメラマンに話を聞くと、人前に出ないガッキーと、好感度最高潮の浜辺の2人が狙いだと教えてくれました。

この日のガッキーは珍しく全身黒のパンツスーツで、肩から足元まで流れるようなビジューラインが豪華でした。ギャラリーからは「脚、ながっ!」という声が盛んに漏れていました。

一方の浜辺はレースとリボン使いが印象的な黒のシースルードレスで、女性ファンたちからは『らんまん』の役名である「すえちゃ〜ん!」なんて掛け声も聞かれました。

会場で外国人映画関係者に話を聞いてみると「レッドカーペットを歩いた日本人女優の中で、いちばん魅力的だったのは三吉彩花…」と何人かが口にしていました。

胸元がV字にざっくり開いた黒のマーメイドラインのドレスに真っ赤なルージュの三吉が、妖艶に、そしてエレガンスに映ったようですね。

「すぐにでも出演交渉してみたいと思わせる女優だね」とも。

『東京国際映画祭』と聞いて私がすぐに思い出すのは、6年前の満島ひかりの騒動です。

映画祭のプロモーション用ポスター撮影を、当初決まっていた4人(蒼井優、安藤サクラ、宮崎あおい、満島)一緒の構図が嫌だと1人づつ別々のポスターにさせ、尚且つ決定稿の写真が気に入らないと、蜷川実花カメラマンに撮り直しを要求したという件です。

私が知る限り、蜷川大先生にNGを出せるのは、元『欅坂46』平手友梨奈と満島くらいのものです。

『AERA』の表紙も担当する大先生に対するこの行動は、蜷川氏を師と仰ぐ沢尻エリカをも怒り狂わしたという噂も聞かれたほどでした。

さらに当日のレッドカーペットでは、4人一緒のフォトセッションとインタビューという企画もあったそうですが、これも「レッドカーペットだけに集中したい」という満島が、開催日直前に主催者側に断りを入れたそうです。

マスコミへの“4人一緒のフォトセッション&インタビュー”を目玉にしていた主催者側は、さすがに今からの変更は無理と丁寧に説明し、結局予定通り行われたのですが、やるやらないと振り回された他の3人周辺からは「いい加減にしろ」と、最後は呆れられたとも聞こえてきました。

昨年4月期、満島は5年ぶりに民放の連続ドラマ『未来への10カウント』に出演しましたが、現場のスタッフは1秒たりとも気を休める時間はなかった…というエピソードも伝わってきていました。

これで視聴率が良ければ報われるのでしょうが、木村拓哉主演で平均視聴率が10.9%…スタッフが満島に対して微妙な感情を抱くのも無理はないような気がします(視聴率はビデオリサーチ社調べ、関東地区)。

どんな作品でも、満島主催で共演者と“満島ワークアウト”セッションを行ってから収録に入るという彼女です。

女優としてそれだけ作品に力を注ぐのは当たり前のことなのかもしれませんが、中には「彼女をキャスティングすると“いろんな制約”が多いんだよな…」という現場スタッフもいるのが現実です。

レッドカーペットは毎年話題になるのに、邦画でない作品がグランプリに輝くと、その年の『東京国際映画祭』は何がグランプリを取ったか一切報道されないで終わることに首を傾げずにいられませんが、いつかはハリウッドに並ぶほど“TOKYO”も注目され、国際的に話題になる日が来ることを祈るばかりです。

プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

image by: Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

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