衝撃の逮捕から4年、電気グルーヴのメンバーで俳優としても活躍するピエール瀧ですが、最近では「前科ネタ」をライブで披露するほど“禊は済んだ”状態のようです。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは、その様子を批判的に報じたデイリー新潮の記事を紹介するとともに、一度「クスリの快楽」に沈んだ者が、警察の「麻取」に監視され続ける現状を明かしています。

執行猶予明けから約1年5ヶ月経ったピエール瀧の現在地

『デイリー新潮』が、昨年7月に執行猶予期間が明けて約1年5ヶ月経ったピエール瀧に苦言を呈しています。

“電気グルーヴがライブ中に「ピエール瀧は映画撮影中に本物のシャブを…」ラジオでも“前科ネタ”連発に「反省していない」の声”

タイトルを目で追っていると、どこからともなく「余計なお世話だョ…」というピエールの声が聞こえてくるような錯覚に囚われました。

なんでも12月1日、Zepp Hanedaで行われたライブのMCで、ピエールが元暴力団組長で死刑囚役で出演し2013年に公開された『凶悪』のシャブを打つシーンに、メンバーの石野卓球が「あれ、本物ですからね」と告発、それに笑いながら応えたピエールがいたというのです。

私は思わずよだれを床に零してしまいそうになりました…外野が興奮するわけです。

『電気グルーヴ』というアーティストと石野のキャラクターを考えれば“らしい”と言えば“らしい”のですが、ブラック・ジョークだとしても大丈夫なのでしょうか…。

“懲役1年6ヶ月、執行猶予3年”という有罪判決を受けたピエールの麻薬取締法違反のスキャンダルでしたが、今ではすっかり笑い話のネタにしているようです。

私の知り合いの『電気グルーヴ』ファンも、被疑者番号が“777”だったとか、妻が面会に来た時の話をラジオやライブで話すピエールを楽しみにしている…と話してくれます。

逮捕当時取材させていただいた警察関係者に話を聞くと「ピエールに限らず、ドラッグ前歴のある人物に対して、麻取はそのマークを外さない」と教えてくれました。

「1度でも味わったあの極上の快楽は、何年経っても忘れないものだ」とも。

公共の場でジョークとして披露するぐらいですから、おそらく今は全く再犯の可能性が無いのでしょう。それとも当局へ挑発をしているのか…。

当局の薬物使用者への執念を感じたのは、数年前に酒井法子の取材を続けていたカメラマンから話を聞いた時でした。

カメラマンの張り込み取材中、何度となく不審車輛が長時間に渡ってジッと潜んでいるというのです。

私たちは同業者という“匂い”には敏感ですし、長いこと芸能記者をやっていると現場の知り合いにも“あ・うん”の呼吸でお互いに邪魔しないよう配慮するものなのです。

ところがこのカメラマンは、“同業者ではない視線の鋭い誰か”の気配を何度も感じたと言うのです。

酒井が有罪判決を受けたのは今から14年前の2009年です。

罪の償いも十分終わっているようにも思えますが、何年経ってもそのマークは継続されているという現実に、背筋に冷たいものが走ったことを憶えています。

さて、ピエールですが、ライブ活動とともに最近は、役者としても完全復活する勢いです。

さすがに地上波となると強い縛りがかかりますが、映画や配信ドラマでは引く手あまたのようです。

『デイリー新潮』にもありましたが、まさに今日から福島で先行上映される『水平線』では東日本大震災で妻を亡くし心に傷を抱えた散骨業者を演じ、来年3月1日から全国上映される予定です。

元暴力団組長で死刑囚と、心に傷を負った散骨業者が同じ人物であることに強いギャップを感じざるを得ませんが、『水平線』の監督は『凶悪』でピエールの舎弟役を演じ意気投合した役者・小林且弥の初監督作品だそうです。

プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

image by : Nesnad, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

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