大阪万博のPRドラマに、あの“はしかん”こと橋本環奈が起用されることが発表されました。一部では「万博のプロパガンダ?」との声も聞こえているようですが、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは、また違った見方をしているようです。

“困ったときの橋本環奈”…大阪・関西万博プロモーションドラマ出演の裏事情

橋本環奈が来年3月放送予定のテレビ朝日開局65周年記念ドラマ『万博の太陽』に出演することが発表されました。

私の近くの外野席からは「はしかんは大阪府(大阪市)のプロパガンダか?」という声が数多く上がっていますが、皆さんはどう思われますか?

皆さんも「はしかんが政治利用されている」と思われますか?

確かにこの企画を見たとき、私の頭の中に真っ先に浮かんだのは、万博開催に湯水の如く投入されている税金の額と、全く売れていない前売り券の情報でした。

この企画に関し、水面下でテレビ朝日と大阪府、大阪市、日本維新の会がすり合わせしたのかどうかは知る由もありませんが、『千と千尋の神隠し』の千尋が無防備に叩かれまくる姿は、何となくですが釈然としません。

個人的には、はしかんの風貌から想像するに、とても良く似合うであろう昭和の時代のコスプレや万博の制服姿を楽しみにしている私ですが、はしかん本人はこの“史上最低に興味を抱かれない万博”開催のタイミングでのドラマ出演をどう思っているのか、本音を聞いてみたいものです。

テレビ朝日は年明け早々、同じく開局65周年記念ドラマとして、3日に武井咲と後藤久美子の『顔』、4日に波瑠と木村佳乃の『ガラスの城』(原作はいずれも松本清張)をオンエアする予定ですが、開局記念ドラマとしてのそれぞれの視聴率も気になるところです。

しかし本人の意思は置いておいても、今、何か大きなプロジェクトが動き始めると真っ先に名前が挙がるのがはしかんだと言われています。

それだけ好感度が高いという証拠です。

分かり易い例を挙げれば『NHK紅白歌合戦』のMCでしょう。

朝ドラや大河への貢献度から、二階堂ふみや川口春奈をキャスティングしたものの、視聴率回復には成功しなかったNHKが、あらゆるアンテナを立て情報収集した結果、昨年白羽の矢を立てたのが、それまでのNHKには全く貢献度がなかったはしかんでした。

この抜擢に業界内では様々な憶測が飛び交いましたが、結局来年後期の朝ドラ『おむすび』の主演がはしかんに決まる手打ちとなりました。

昨年のMC決定から1年以上にもなりますが、業界内では“困ったときのはしかん頼み”という名言が定着しつつあるようです。

ドラマや音楽番組、CMを観ていていつも感じるのはキャスティングの難しさやマネージメントの奥深さです。

ドラマで高い視聴率を残す女優がイコールCM女王となっても何ら不思議はないはずです。

ところが現実は、視聴率とCM契約が反比例していたりするタレントもいたりするわけです。

例えば“困ったときのはしかん頼み”というのなら、はしかんがCM女王でも不思議ではないはずなのに、実際の女王は川口春奈ですし、その数は川口の契約者数の半分にも届きません。

この2人で言うのなら、高齢視聴者の視線を釘付けにさせるはしかんと、若い女性の固い財布の口を開けさせる川口とでは、全然別物のプロモーションになるということなのでしょうね。

誰がどこで、何をきっかけに人気や好感度が上がるのか…これは本当に難解な永遠のテーマと言っていいでしょう。

万博費用の全体像として国費負担が1,647億円、今後更に追加負担も…と言われている関西万博。

東京五輪汚職事件のようなみっともない事が起きないよう、関係者には襟を正していただきたいばかりです。

 

プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

image by : 福博中 / CC BY-SA

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