韓国の医科大学受験生にとっては、この結果が出るまで落ち着かなかったことでしょう。韓国の医療大乱はまだ続いてはいるものの、2025年度の医科大学定員の調整が完了したようです。無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者が詳しく語っています。

韓国医療大乱。医学部の来年度の増員分「1500人台」が有力に

医者らの独りよがりがちょっと緩和されたか。2025学年度医科大学の定員が増えた大学32校のうち70%以上が増員定員に対する調整を終え、募集人員を確定した。

増員指定を受けた定員は、国立大学9校のうち8校が50%だけを反映することにし、私立大学は11校が増員分を100%反映した。結果、来年度の医大増員は最大1500人台水準が有力視される。ただ、提出を控えて増員分を削減する私立大学が追加で出ているため、この日(4月30日)の24時まで流動性が多少ある。

ニューシスが30日午後6時基準でまとめた結果、2025学年度に医学部の定員が増えた大学32校のうち23校が募集人員を確定した。それらの一部は、韓国大学教育協議会(大教協)にすでに大学入学選考施行計画を提出している。地域拠点の国立大学9校のうち8校は、2025学年度に限って指定増員数のうち50%だけを募集することにした。

釜山大学は現在の定員125人に38人を増やした163人を提出した。割り当てられた75人を半分だけ反映した格好となる。釜山大は募集人員を大教協に提出し、7日に教務会議を開き学則に医大定員200人を明示する方針だ。釜山大は「2025学年度に限り募集人員を163人と定め、大教協に提出した」とし、「原則的に学則改正後に施行計画変更をすることが手続き的に正しいが、避けられない場合、この順序を変更してもかまわないという政府案内により施行計画変更を先行した」と説明した。

慶北(キョンブク)大学と忠南(チュンナム)大学医学部は、配分された増員分(それぞれ90人)の半分にあたる45人ずつをそれぞれ増やし、155人を選抜することにした。江原(カンウォン)大学は42人(増員83人)を増やした91人、忠北(チュンブク)大学は76人(増員151人)を増員した125人を申請する。全北(チョンブク)大学も半分の29人(増員58人)を増やし、171人を採用することにした。

慶尚(キョンサン)国立大は62人(増員124人)を増やした138人、済州大は30人(増員60人)を追加した70人を募集する。国立大学の中では、まだ全南大学だけが意思決定ができていない。全南(チョンナム)大学医学部の現在の定員は125人で、75人を配分してもらい、最大200人まで募集人員を増やすことができる。全南大学が増員を受けた定員が決定をまだしていない他の大学と比較して相対的に多い規模だという点を考慮すれば、全体的な増員規模にも影響を与えかねない。

私立大学は当初、大半が増員を受けた定員の100%を申請するものと観測されたが、詰めの検討を行い、募集人数を予想より大幅に減らした大学も出ている。嶺南(ヨンナム)大学は当初、増員された定員44人を100%増やした120人を申請することにしたが、同日20人を減らした100人を申請することにした。増員分の54.5%だけを反映したものだ。現在の教育環境を考慮したというのが大学側の立場だ。これは地方私立大学という点で異例の行動だ。医学部の定員が27年ぶりに増員されたうえ、新入生募集に有利だという点で、地方私立大学はできるだけ配分された定員を減らさない方向でものごとが進められている状況だ。

一方、最後まで顔色をうかがっていたことを傍証するかのように提出しようとした募集人員を増やした地方私立大学もある。蔚山(ウルサン)大学は前日まで、医学部定員の増員分(80人)の75%にあたる60人を増員する案を検討してきたが、同日午後10人を増やし、増員分の87.5%にあたる70人を反映することにした。このため、蔚山大学医学部の来年度募集人員は110人になった。地域人材選抜選考の人員は40%から60%に増やす。

また、成均館(ソンギュングァン)大学と亜洲(アジュ)大学医学部が増員された定員(80人)の87.5%である70人だけを増やし、110人をそれぞれ申請することにした。しかしこのような動きはまだ私立大学のうち4校に止まっている。

嘉泉大学(90人増員)、仁荷大学と東国大学分校(それぞれ71人)、建国大学分校(60人)、東亜大学(51人)、啓明(ケミョン)大学(44人)、大邱カトリック大学(40人)、朝鮮大学(25人)、高神大(24人)、仁済(インジェ)大と延世(ヨンセ)大分校の11校は募集人員を減らすことなく増員の割り振りを受けた定員を100%反映することにしたわけだ。

このような点を考慮して、医学部の募集人員を明らかにしていない9か所が、国立は増員分の50%、私立は100%を申請すると仮定すれば、来年の医学部の募集人員は1549人増える。 9か所がすべて増員分を100%反映しても、最大1586人が増える。

もし、残りの9か所がすべて50%を減らせば、増員規模は1378人になる可能性があるが、可能性は薄いという評価だ。大教協は、2025学年度大学入学選考施行計画変更承認審査申請受付を同日午前0時までに受ける計画だ。大学入学選考施行計画には、医学部の募集人員だけでなく、随時(スシ)と定時、地域人材選抜選考の募集比率など、来年度の入試に対する具体的な選抜計画が盛り込まれる。(ニューシス参照)

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