日本最大級のレンタルトランクルーム「ハローストレージ」を運営するエリアリンク株式会社は、3月6日に2023年度の決算および2024年度の事業戦略について説明するメディアラウンドテーブルを開催。 

メディア向けに、2023年度決算資料に基づく決算概要や活動の振り返り及び2024年度の事業戦略について、代表取締役社長 鈴木貴佳氏より説明があった。 

同社は、2023年に発表した中期経営計画において掲げる出店戦略「2029年に20万室達成」に向けて出店を加速させている。2023年9月に「ハローストレージ」の出店10万室を突破し、10月には業界初である全国47都道府県の展開を達成した。

2024年は1年間で新たに約1万室の出店を目標として、データ分析による店舗開発の精度向上に取り組み、より利用者の生活に密着した利便性の高い出店を計画しているとのこと。 

ストレージ事業の強みとして、コンテナ型・ビルイン型(空きオフィスを借りてトランクルーム化)は土地を借り上げるため投資額が少なく18%の高利回りという高い収益性、無人経営で低コストかつ高い利益率、用地確保から短期間で運営開始可能(平均4ヵ月でオープン)が挙げられている。 

また、「ハローストレージ」は年々稼働率が向上しているため、損益分岐点(稼働率55%)に到達するまでの期間が年々早くなっていることも発表された。2017年、18年は損益分岐点に達するまでに1年以上かかっていたが、2021年以降はこれが大幅に改善され、4、5ヵ月で到達するようになっている。 

稼働率向上の要因の一つにはデータベース(人口、世帯数、所得層など)から導かれる出店戦略(商品、エリア、出店室数、価格)の精度向上が挙げられている。 

さらに、2024年2月29日にトランクルームの検索サイト「LIFULLトランクルーム」を運営していた株式会社LIFULL SPACEを子会社化したことにより、同サイトに蓄積されたノウハウをデータベースに加えることができ、システムの効率化及びデータベースの精度が高まることが予想されている。 

エリアリンクは、ストレージ事業の市場自体が年4〜5%の伸びを予測。そういったなかで、同社はハローストレージの出店を急加速させ、現在の約10万室から2029年には20万室を目指す。 

出店急加速の目標とその自信の根拠になっているのは、トランクルームの稼働率向上という実績やデータベースによる出店戦略の精度が高まっていること、そしてデータ分析によってデータベースの活用をさらに強化していく計画にある。