反抗期を理解すれば、親子の距離感が分かってくる

 思春期を迎えた子供が「何を考えているのか分からない」と悩む両親。しかし大人への反発や、イライラとした感情、不機嫌な態度をすべて「反抗期」というわけではないようです。子供がみせる反抗にはそれぞれに理由があり、その違いを理解すれば親がするべき対応も変わってくるというもので……。

 フクチマミさん(@fukuchi_mami)が「反抗期ではなく生活ルールの話?」として掲載した『おうち性教育はじめます 思春期と家族編』(KADOKAWA)が話題です。いいね数は1.1万を超えており、読者からは「新たな視点でした。興味深いですね」「反抗期を一括りにしていました。もっと早く知りたかった!」「頭のなかが整理されて子供との関わり方が変わりました」などの声があがっています。

 フクチマミさんは漫画家・イラストレーターとして活動しており、今作以外にもご自身の経験をもとに、日常生活で感じる難しいことを分かりやすく伝えるコミックエッセイが発売中です。

 作者のフクチマミさんにお話を聞きました。

ーー今作『反抗期ではなく生活ルールの話?』が生まれたきっかけや、理由を教えてください。

 このマンガは『おうち性教育はじめます 思春期と家族編』(KADOKAWA)に収録されている一部なのですが、私の思う「反抗期」と共著の村瀬幸浩先生のおっしゃる「反抗期」の認識にズレがあると気付いたことがきっかけになりました。

 私は「思春期に大人に反発することがすべて反抗期によるもの」だと思っていたし、一般的にもそういう認識の方が多いのではと感じます。

 それで、そもそも反抗期とは何なのか(自立へ向かう反応)、反抗期と混同しやすい行動(思春期特有の苛立ち/マナー違反)についてハッキリさせると、子供の心も守れるし大人側も対応がしやすいなと思い、このマンガを描きました。

ーー子供の反抗にもいくつか種類があり、それぞれに適切な対応があることを初めて知りました。今作を描くうえでこだわったポイントや、お気に入りのシーンなどはありますか?

 6ページ目の、子供の反抗を3つの原因に分けて対応方法を書いた図です。これは村瀬先生と一緒に作ったオリジナルなもので、実際に思春期の子供を持つ私自身もすごく役立っています。

日本一売れている性教育本シリーズ『おうち性教育はじめます 思春期と家族編』フクチマミ/村瀬幸浩(KADOKAWA)

ーーたくさんの感想が寄せられています。特にうれしかった感想の声、印象に残った読者のコメントはありましたか?

「大人って、子供が自分の言うことを聞かなかったらすぐ反抗期っていうよね」というコメントは自分も含めて本当にそうだなと感じました。村瀬先生も「反抗期ではなく『自立期』に名前を変えた方がいい」と仰っていました。

 大人の言うことをきかなくなったから……と罰や嘲笑などの支配行為で抑え込むことは、子供が自分の意見を持つ力を育むことをジャマすることになります。

ーーフクチマミさんが印象に残っている反抗期エピソードはありますか?

 私もどうしようもなく起こるイライラは結構ありました。ただ、それを外に出したときに、何でもかんでも「反抗期だから」とあしらわれることが、自分の気持ちを雑に扱われた気がして当時とても嫌だった。

 それで外に出せない気持ちを、ノートに絵や文章でぶつけていた記憶があります。まさに厨二病の塊みたいなノートで、ちゃんと捨てたか今不安になって来ました……。

ーー2024年はどのような創作活動をする1年にしたいですか?

 今まで自分と同じ年齢層に向けて描いていましたが、今年は違う年齢層にも向けて描いてみたいなと思っています。