鯉登少尉や門倉部長、宇佐美を演じるなら誰がいい?

 2024年1月19日に公開されるやいなや、ファンから大絶賛の声があがった実写版映画『ゴールデンカムイ』は、明治時代の北海道を舞台に、アイヌたちが隠した莫大な埋蔵金を巡る作品です。そんな本作のラストシーンには、キロランケ、インカラマッ、家永カノ、辺見和雄、二瓶鉄造など、次回作以降に登場するであろうキャラが登場しました。

 彼らのほかにも、実写版『ゴールデンカムイ』にはまだ未登場の多くの人気キャラがいます。今回は原作単行本の表紙を飾った人気キャラクターたちを誰が演じるのか、ファンの意見ももとに予想していきます。

●鯉登少尉(16巻表紙)

 海軍少将の父を持つ鯉登少尉は、大日本帝国陸軍第七師団に所属する軍人です。薩摩に伝わる古流剣術・自顕流(じげんりゅう)の使い手で、相手を武器ごと叩き斬るほどの実力を持っています。そんな鯉登少尉は『ゴールデンカムイ』のなかでも特に人気の高いキャラクターであり、今後の実写版に登場するなら誰に演じてもらいたいか、と想像をめぐらせるファンは多いようです。

 なかでも多かったのが、2021年7月に公開された『東京リベンジャーズ』のドラケンこと龍宮寺堅役や、2023年7月に公開された『キングダム 運命の炎』万極(まんごく)役など、数多くの実写化作品に出演している山田裕貴さんのキャスティングを希望する声でした。ネット上では「真面目な役からコミカルな役まで演じられるから」「真面目過ぎて逆にユニークな鯉登少尉にぴったりでは」というファンの声があがっています。

 そのほか、演技力はもちろん、ハッキリとした顔立ちで実年齢も鯉登少尉に近い中川大志さん、高身長で奇抜で個性的なキャラクターである鯉登少尉を演じ切ってくれそうな桐谷健太さん、鯉登少尉の独特な「キエエエッ!!(猿叫)」の絶叫を上手く再現できそうな賀来賢人さん、身体能力の高さでも知られる横浜流星さんを期待する声が見受けられました。

 主に行動をともにする月島軍曹を演じる工藤阿須加さんが、180cmと原作よりもだいぶ身長が高いため、「月島よりも小さく見える鯉登はいや」と、高身長の俳優に期待する声も多いようです。

●門倉看守部長(18巻表紙)

 網走監獄で看守部長を勤めていた門倉は、父親が土方歳三らとともに戦った旧幕府軍で、網走監獄への侵入計画を進める土方たちに協力することになります。生来持っている「悪運の強さ」がところどころで発揮されるコミカルなキャラクターで、その人物像に好感を持つファンも多いです。

 そんな門倉看守部長の実写化には、50歳前後の俳優たちに機体の声が集まっています。北海道出身の演劇ユニット「TEAM NACS」の大泉洋さんや安田顕さん、コミカルな脇役も多く演じるムロツヨシさん、『キングダム2 遥かなる大地へ』での縛虎申役も話題になった名バイプレイヤーの渋川清彦さんなど、強い個性を持った実力派のキャスティングを望む声があがっています。また、彼の相棒的存在のアイヌ男性、キラウシを誰が演じるのか、実写版でこのふたりのやり取りを見たい人も多いようです。

●宇佐美上等兵(23巻表紙)

 鶴見中尉を敬愛し、自身を「鶴見中尉の駒」と自認している宇佐美上等兵は、『ゴールデンカムイ』の登場人物のなかでもひときわエキセントリックな側面が目立つ、代表的な変態キャラです。

 そんな宇佐美のキャスティングについては、NHKで放送中の大河ドラマ『光る君へ』にも出演し、近年俳優としての実力に高評価の声があがっているお笑いコンビ「はんにゃ」の金田哲さんの名前が多くあがっていました。目の大きさや狂気漂う雰囲気が推されているポイントのようです。

 また、「狂気的な役上手いからぜひ宇佐美をやってほしい」との声が続出している菅田将暉さんや、実写版『キングダム』や『GANTZ』など数々の実写版で冷酷な役柄を演じてきた本郷奏多さんなど、幅広い演技力を持つ俳優さんの名前が見られました。

「絶対に鈴木亮平さんを起用してほしい!」 ファンが望むキャスティングとは?

●菊田特務曹長(24巻表紙)

鈴木亮平さんが同名原作マンガの実写化で主演を務めた『俺物語!!』ポスタービジュアル (C)アルコ・河原和音/集英社 (C)2015映画「俺物語!!」製作委員会

 大日本帝国陸軍第七師団で特務曹長を務める菊田は、かつて陸軍士官学校の候補生を指導していたという過去を持っています。過去には主人公の杉元佐一と深いかかわりを持っていた人物でもあり、彼を実写化するなら「絶対に鈴木亮平さんを起用してほしい」とファンからの熱烈な声も多々ありました。

 鈴木さんといえば『ゴールデンカムイ』の実写化が決定した際、キャスト陣のなかにその名前がなかったことで「なぜ出演していないのか」と話題になっています。『俺物語!!』や『HK 変態仮面』など、激しい肉体改造もいとわない役作りで数々の実写版を成功させてきたからこそでしょう。

「筋肉」も重要な要素である『ゴールデンカムイ』に多くのファンから出演を望まれている人物で、「鈴木さんが菊田役なら納得」「年齢的にもガタイ的にもピッタリ」「ノラ坊を手懐け、宇佐美に振り回され、異母兄弟を微笑ましく見つめる鈴木亮平が観たい」などの声があがっています。

 そのほか、「優しい顔も怖い顔もステキだから似合う」という理由で、2019年に放送された実写ドラマ版『きのう何食べた?』では西島秀俊さんとW主演を務めて好評を博した内野聖陽さんを希望する声もあがっていました。

●海賊房太郎(25巻表紙)

 水中に相手を引き込むことで溺死させ、金品を奪う手口から「海賊房太郎」と呼ばれるようになった重犯罪者の大沢房太郎は、アイヌの埋蔵金を使って「自分が王様の国を作る」という野望を抱いています。そのビジュアルは黒髪に長髪の美丈夫で、「実写での再現が特に難しいのでは」と言う声も多数挙がっていました。しかし、映画で短時間映る刺青囚人24人のシルエットのなかには、長髪の房太郎に似た人物がおり話題になっています。

 そんな房太郎役には、菊田特務曹長と同様に鈴木亮平さんのキャスティングを願う声も複数あります。やはり、『ゴールデンカムイ』の実写化にあたっては、鈴木さんの存在は必要不可欠ということでしょうか。その他には間宮祥太朗さん、先ほども名前が出た中川大志さんや山田裕貴さんなど、美しいビジュアルと高い演技力、身体能力を兼ね備えた俳優さんを希望する声も見られます。

 その他、単行本26巻表紙のロシアの狙撃兵ヴァシリに関しては、「ロケも難しいしストーリーを短くするために『樺太編』ごとカットで、いなくなるんじゃないか」などの予想もありますが、果たして登場するのでしょうか。人気の尾形百之助vsヴァシリの狙撃戦が再現されればかなり盛り上がるでしょうが、人種も違うためキャストの予想が難しいところです。

 実写化第1作目の本作に収まったのが原作コミックス3巻までの展開だったことを考えると、今回紹介したキャラクターたちが実写版に登場するのは、まだまだ先のことかもしれません。しかし、原作愛の深さや再現度を絶賛された実写版映画は、今後もかなりのクオリティの高いキャラを出してくれることでしょう。