円安の影響もあり、海外の観光客からは「日本は安い」とイメージが定着しつつある日本。国内の主要観光エリアは海外からの旅行客であふれています。そんなインバウンド全盛のあおりをくらった常連客の嘆きがX(旧Twitter)上で話題に。

家呑みはせずお酒は外で呑みたいというひろポンa.k.a.goodxy(@oreorebkk)さんが
「新宿の馴染みの呑み屋行ったら『実はインバウンド料金になったんですよ…』つって言われた…メニューも英語でレモンサワー1杯1000円…焼き鳥5本で2000円…ついにココまで円安の影響来たか…まあ白人客で満席だったから店としては賢い選択肢の一つだわな…笑」とXに投稿。 

ただでさえ物価の上昇に、食材や外食費が上がっていき、せちがらく感じているなかで、
「ぼったくりじゃんw」「日本人からしたらマジでキツい流れ」「そんな店二度と行かない」といった否定的なコメントとともに、
「それはいいかもしれないですね。地元民には自治体から割引券とかを発行できるといいですね」「時代の流れに合わせた商売」「従業員の給与アップにつながればベスト」「適正価格。日本(の所得)が貧しいのです😭」といった肯定的な意見も寄せられました。 

ほかにも「これからはインバウンド料金とローカル料金の二本立てでお願いできないですかね」「外国人向けと日本人向けに価格を変えても良いと思います」との意見も。つまり、現地の人と観光客の値段を変えて、「二重価格」を設けるという考え方もありました。

いわゆる「学割」や「シニア割」と同様ともいえ、フェリー運賃なら現地の島民割引があるように、日々利用しやすいといったメリットがあります。それと同時に、海外の観光客が「二重価格」を知れば、「ぼったくり」としか思えないことでしょう。

半分以上が海外からの観光客に

投稿したひろポンa.k.a.goodxyさんに、馴染みのお店や昔と今の違いについて、話をお聞きしました。 

――馴染みのお店はどのような場所に?

「新宿の古い呑み屋街にある店だね。この辺り、昔は外国人客なんて居なかったけど、コロナ禍前からこの5年くらいは、歩いてる客の6〜7割方はインバウンド客だね」 

――この辺りの価格の相場はいくらくらいでしょう?

「酒の料金はだいたいレモンサワー1杯が400〜500円、焼き鳥1本150円くらい。インバウンド価格は、レモンサワーだけでいうと、相場の2倍くらいだね」 

――こちらのお店はもともとインバウンドのお客が多かったのでしょうか?

「外国人客が増えてきた頃からSNSで外国人にアピールしてて、15席のうち半分以上は外国人客だったね。そうしてまた英語媒体のSNSや料金サイトの口コミで名前が広がって、外国人客が増えていった感じだと思う」 

――なるほど。インバウンド価格になったと聞いてどのように?

「まぁ、あれだけ外国人客が元々多ければインバウンド価格に切り替えるのも頷けるよ。でももう行かないかな」 

◇ ◇

ひろポンa.k.a.goodxyさん曰く、「新宿に限らず、上野も池袋も外国人だらけ…新宿ゴールデン街や思い出横丁なんか、歩いてる客ほとんど外国人」といった状況なんだそう。「そりゃインバウンド価格に切り替えるよ‥」とあきらめの表情です。 

築地市場など海外観光客に人気のスポットでは、「インバウン丼」と呼ばれるなど、メニューに驚きの価格が設定されて、日本人には気軽に行けない場所が、今後ますます増える可能性も。不況のなか、潤うお店が増えるのはいいことかもしれませんが、所得が向上するどころか増税・物価高しか見えない今、歯がゆい状況が続きそうです。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・福尾 こずえ)