生活保護1400万円詐取で懲役6年判決 盛岡地裁「市が付け入る隙 与えたが犯行は悪質」<岩手県>
盛岡地方裁判所は3月28日に懲役6年の実刑判決を言い渡しました。
判決を受けたのは住所不定・無職の糸田仁被告(56)です。
判決によりますと、妻や父親とともに盛岡市から生活保護を受けていた糸田被告は、2021年3月までの2年8カ月にわたり滞在していた3人分のホテルの代金を市に水増しして請求、住宅一時扶助費として1400万円あまりをだまし取りました。
これまでの裁判で糸田被告は「故意ではない」などと主張し起訴内容を否認していました。
28日の判決公判で盛岡地裁の中島真一郎裁判長は「内容を偽った領収証を市に提出してその額の支給を受けており、詐欺罪が成立するのは明らかだ」と指摘しました。
その上で「市が漫然と支給し続けたことが被告に付け入る隙を与えたことは否定しがたいが、生活保護制度の公正な運用を損なわせる悪質性の高い犯行」だとし、糸田被告に懲役6年の判決を言い渡しました。
弁護側は控訴について話し合って決めるとしています。
今回の判決を受け盛岡市は「再びこのような事件が起こらないよう再発防止の取り組みを徹底する」とコメントしています。
この事件を巡ってはすでに糸田被告の妻に対する懲役3年6カ月の刑が確定しています。