5月24日に岩手県高総体のバレー競技が開幕する。
2025年度に不来方高校と統合する強豪の盛岡南高校が、今の校名で臨む最後の高総体を前に闘志を燃やしている。

筋力トレーニングでタフな体を鍛え上げているのは、盛岡南高校男子バレーボール部、1月の新人戦で9年ぶり18回目の優勝を果たした県内屈指の強豪だ。

開幕が迫る高総体で再び県の頂点を目指すため心と体に磨きをかけていた。

盛岡南の強みは拾ってつなぐ「粘りのバレー」。

新人戦では決勝リーグに進んだ4チームのうち3チームが勝敗の数で並ぶ混戦となったが、盛岡南の失ったセットが最も少なく優勝につながった。

そのチームの中心を担うのは、リベロの佐々木綺斗キャプテン(3年)だ。
ボールをノータッチでコートに落とさないという信念のもと、高い守備力でチームをまとめ上げる盛岡南の守護神だ。

盛岡南3年 佐々木綺斗主将
「『チームの中心となりボールを上げる』という強い気持ちでやっている。『諦めずボールを落とさない』という気持ちを大切に戦っていきたい」

そして守備力に攻撃力を上乗せするのがオポジットの山口大良選手(3年)。
身長は173センチながら最高到達点は3m16cmとチームでトップ、新人戦6試合で合わせて35得点を挙げた1番のポイントゲッターだ。

盛岡南3年 山口大良選手
「自分が決めると雰囲気が良くなり流れを引き寄せることができる。どのチームよりも走り回れるよう頑張りたい」

1983年に開校した盛岡南は、2025年度に不来方高校と統合するため、今の名前でバレーができるのは2024年度が最後だ。

その最後のチームの指揮を取るのはOBでもある相馬高志監督。盛岡南が県勢の男子としてはトップタイの成績となる全国ベスト16入りを果たした際のエースアタッカーだ。

県勢がいまだ成し遂げていない全国ベスト8を目標に掲げるとともに、指揮官としてそしてOBとして「盛岡南の価値を高めたい」と意気込む。

盛岡南 相馬高志監督
「勝つことだけではなくて『盛岡南はいいチームだった』と代々のチーム含め言ってもらえるよう、いいチームで強いチームで終われるイメージで高総体に臨んでいきたい」

男子の春の高校バレー全国大会では県内最多の15回の出場回数を誇る盛岡南。守って守って得点へとつなぐ粘りのバレーはチームに昔から受け継がれる伝統だ。

過去の監督や選手・マネージャーたちが戦いの中で作り上げてきたそのスタイルが「強豪・盛岡南」の名を轟かせてきたのだ。

「勝利あるのみ盛岡南」この確固たる決意を綴った言葉は、最後のチームにまで届いていた。

盛岡南3年 佐々木綺斗主将
「最後は優勝して全国で戦って終わりたいので、まずは高総体で優勝してインターハイに出場したい」

盛岡南3年 山口大良選手
「盛岡南に携わった人たちに感謝して最後の高総体をやり切りたい」

盛岡南の名で戦える残りわずかな時間。
最後のバトンを受け継いだ部員たちがチームの歴史に有終の美を飾るべく闘志を燃やしている。