女子プロサッカー「WEリーグ」日テレ・東京ヴェルディベレーザが4月27日、ホーム「味の素フィールド西が丘」(北区西が丘)で大宮アルディージャVENTUSと対戦し、7対0で完勝した。入場者数は1795人。(板橋経済新聞)

 途中出場で2ゴールを決めた土方麻椰選手。3月のAFC U-20女子アジアカップでは大会得点王に輝き、ヤングなでしこをU-20女子W杯へと導いた(写真提供=WEリーグ)

 日テレ・ベレーザは、立ち上がりこそ大宮アルディージャに攻め込まれるが、積極的に前を向きシュートで終わる姿勢を貫いた。前半24分、2本続けて訪れたコーナーキックのチャンスから、藤野あおば選手が豪快な右足で先制点を演出。ここから怒濤(どとう)のゴールラッシュが始まる。36分には、池上聖七(せいな)選手のクロスに神谷千菜選手が右足を伸ばし、相手DFが体を張ってはね返したボールに再び神谷選手が頭で押し込み追加点を挙げた。その2分後、山本柚月選手がゴール前に放り込んだボールを相手選手がクリア。こぼれ球を拾った北村菜々美選手が確実に仕留め、3対0で前半を折り返した。

 後半も日テレ・ベレーザの勢いは止まらない。55分、相手のミスから山本選手が奪ったボールを神谷選手へつなぎ、最後は藤野選手が決めて4点目。その直後、神谷選手に代わり投入された土方麻椰選手が、交代からわずか3分後の59分、藤野選手のクロスに頭で合わせて5点目。土方選手自身、第3節の浦和レッズ戦での今季初ゴール以来となる待望のゴールだった。さらに68分、後半から入った松田紫野選手のロングフィードに抜け出した藤野選手が、DFを置き去りにしてシュート。チーム6点目となったこのゴールで、藤野選手は自身WEリーグ初のハットトリックを達成した。その後も75分には、北村選手がゴール前に低めのボールを入れると、土方選手が右足を投げ出して飛び込み、自身この日2点目となるゴールを挙げた。終わってみれば、日テレ・ベレーザは大量7得点、放ったシュートは27本に及んだ。

 試合を振り返った松田監督は「ここ最近のゲームで、ゴールが遠い、シュートの意識が足りないなど、いろいろな課題があったが、この試合の準備段階から、やはりそういう課題を解決するイメージを持ってこのゲームに臨んだ。今日のゲーム、実際ゴールも多かったが、打ったシュートが多かった。そういう意味ではゴールへの意識を高めてくれたと思っている」と話し、さらに「ボールを持った選手がただパスを狙うだけではなく、相手に仕掛けることができていた。そこに味方がいいタイミングで絡んでいけたのは非常にプラスだった」と課題解決に向けた手応えを語った。

 当日、小学校で配られた「板橋区民観戦デー」のチラシをきっかけに、家族と共に初めて女子サッカーを観戦した新美遼太君は「選手(との距離)が近くて、指示する声までよく聞こえる」と、これまでJ リーグを観戦した他の競技場との違いを楽しんだ。間もなく育児休業が終了するという母の明子さんは、選手交代のアナウンスで岩清水梓選手の名前が聞こえると、「ワールドカップで優勝した時の岩清水選手の活躍は覚えている。出産して再びプロの世界に復帰しているのは、同じ母としても励みになる」と、今なおトップアスリートとして活躍を続けるママWEリーガーにエールを送る。

 現在4位の日テレ・ベレーザは、5月2日に行われる第18節で、勝ち点5差で3位につけるアルビレックス新潟レディースと、ホーム「味の素フィールド西が丘」で対戦する。試合当日は、板橋区民が選ぶ「板橋のいっぴん」にも選ばれた、かりん糖の中野製菓と天然酵母のフランス系パン「ブーランジェリー ラ ヴィ ブリヤント」が出店。スタジアムグルメ「BELEZA FOOD COURT」では、肉料理やスイーツなど9店舗が出店する。スタジアムをベレーザカラーの緑に染める企画「GREEN FES.」では「グリーンウエアレンタルサービス」や「ミニフラッグ作り」が無料で楽しめるようにするほか、先着で「ベレーザエンブレム入りオリジナル風船」と「光るブレスレット」も進呈する。17時キックオフ。