大相撲深谷場所前夜祭「ちゃんこイベント」が4月27日、中山道商店街で行われた。(熊谷経済新聞)

 時津風部屋のちゃんこ。豚バラ肉と野菜をたっぷり使い、薄口しょうゆベースにニンニクとゴマをたくさん入れたもつ鍋風(画像提供=すたんど割烹 三善)

 大相撲の春巡業「深谷場所」の開催前日に行われた同イベント。深谷市で7年ぶりとなる大相撲巡業を市内で盛り上げようと、深谷市と深谷商工会議所(深谷TMO)が企画した。

 ちゃんこ作りは、錣山(しころやま)部屋、武隈(たけくま)部屋、時津風(ときつかぜ)部屋の「ちゃんこ番力士」と深谷市内の飲食店「すたんど割烹 三善」(深谷市西島町)、「割烹 新楽」(深谷市田所町)、「きん藤旅館」(深谷市本住町)が共同で取り組み、各部屋のレシピを元に地元店が調理協力。事前に商店街加盟店で買い物した客を対象にそれぞれ300杯を無料で振る舞った。

 錣山部屋の寺尾海さんと宮田さんは「(錣山部屋は)豚と鶏の合い引きの団子と野菜がたくさん入ったしょうゆベースの甘めの味付け。老若男女に愛される味」「家族で、お年寄りからお子さんまで多くの方に来てもらった。ちゃんこを食べた子どもが『おいしかったよ』と言いに来てくれた」と笑顔を見せていた。「割烹 新楽」代表の西脇剛行さんは「こんなに大量の団子や野菜を仕込んだのは初めて。どの店も前日から寝ずに仕込んだと思う」と話していた。

 武隈部屋は塩ちゃんこ。鶏肉、白菜、ニンジン、ダイコン、ニラなどの野菜を入れ、ごま油でこくを出したあっさり味が特徴という。力士の豪正龍さんと豪白雲さんは「皆さんに温かい声をかけてもらった。このイベントで本当に多くの人に応援してもらっているのを肌で感じることができてうれしい」とほほ笑む。「きん藤旅館」店主の石川克正さんは「前夜祭は初めてだが、力士と触れ合ういい機会。深谷場所ならではのイベントになったのでは」と話す。

 時津風部屋の濱豊さんと柏王丸さんは「時間前から並んでくださってありがたかった。競っているわけではないが一番おいしいと言ってもらえてうれしい」「時津風部屋のちゃんこは、豚バラ肉と野菜をたっぷり使い、薄口しょうゆをベースにニンニクとゴマをたくさん入れたもつ鍋風。パンチのある味で攻撃的。やっぱり相撲と一緒でちゃんこも攻めないと」と話す。「すたんど割烹 三善」店主の鈴木淳一さんは「市民だけでなく、市外からのお客さまもいた。皆深谷場所を楽しみにしてくれている」と話す。

 この日は、小島進深谷市長と埼玉県出身の力士、大栄翔や阿炎、北勝富士らが中山道をパレードし、市民と交流した。市役所玄関に設けたステージでは歓迎セレモニーやトークショー、「どすこいマルシェ」が開かれ、中山道商店街では煮ぼうとうや地酒の販売、キッチンカー出店、ハワイアンフラショーが行われた。来場者たちは間近で見る力士たちの大きさに驚きながら、「応援してるよ」「がんばって」と声をかけたり、赤ちゃんを抱っこしてもらったり、記念写真を撮ったりして力士との交流を楽しんでいた。