盛岡市都南図書館(盛岡市永井)で現在、「岩手県立美術館コラボ企画 堀内誠一展」が開催されている。(盛岡経済新聞)

 絵本など堀内さんの関連作品が並ぶ図書展示コーナー。「ぐるんぱ」の装飾も

 岩手県立美術館で開かれている企画展「堀内誠一 絵の世界」とのコラボレーション企画。堀内さんはアートディレクターとして雑誌「anan」「BRUTUS」などのロゴデザインを手がけるほか、絵本作家として「くろうまブランキ―」「ぐるんぱのようちえん」「たろうのおでかけ」などの作品を生み出した。企画展に併せ、県立美術館と県内の図書館が連携し、各図書館が収蔵する資料や図書を紹介している。

 都南図書館では、県立美術館を通じて堀内さんの絵本「ぼくにはひみつがあります」の製作時に作られた「色校正紙」の原本を借り、2階の階段踊り場に展示。色校正紙は、絵本を印刷する前に色の調子を確認するための見本で、基本的には作者や編集者をはじめ製作に関わる人しか見ることができない。今回は色校正紙そのものと、絵本と同じ形に貼り合わせたものを展示する。

 担当者の島野雅子さんは「色校正紙を見ると、本印刷する時に最初と最後のページを1枚の紙に印刷することが分かる。完成した絵本を読む私たちは目にすることができない貴重な資料なので、絵本を作る過程に少しでも触れてもらえたらうれしい」と話す。

 2階閲覧室の入り口付近には、堀内さんの絵本のほか同館が収蔵する関連書籍を展示。堀内さんが岩手に縁がある画家・松本竣介から影響を受けていることから、松本に関連するものも一緒に並べている。一部の本は貸し出しも可能。

 島野さんは「作品によって絵のタッチやキャラクターの雰囲気が異なり、幅広い作風が楽しめるのが堀内さんの絵本の魅力。美術館で展示を見て絵本が読みたくなったら図書館へ、図書館で絵本や雑誌を見て堀内さんをもっと知りたくなったら美術館へという選択肢がある。美術館にある絵本の原画と、実際に絵本になったものを比べてみるのも面白いと思う。どちらも楽しんでもらいたい」と呼びかける。

 開館時間は9時〜18時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。5月17日まで。