横断歩道はあくまでも歩行者優先。自転車はあくまでも軽車両なので優先させる必要はなし

【それも違法!?】ドライブシーズン到来「やってしまいがちな交通違反4選」守っておくべき交通ルールを解説の画像一覧

家族や友人、仲間などと一緒にドライブに行くのは楽しいもの。しかし、不意に遭遇するのが交通取締り。法律に基づいて行わるので、非はこちらにあるとはいえ、気分的にはくじかれた感じでよろしくないし、財布や免許の点数へのダメージも痛い。最近は、細かいところでの取り締まりも多いので、油断は禁物。普段なにげにやってしまう違反を紹介しよう。

1. 横断歩道での停止

自転車もクルマ同様に停止線で止まって、歩行者を渡らせるのが基本

これは話題になったので守っている方も多いと思うが、横断歩道はあくまでも歩行者優先なので、渡ろうとしている人がいれば止まって行かせるのが基本。話題になる前は守っているとしたドライバーはJAFの調べでは15%程度で、ほとんど止まっていなかったというのが実際。それが話題になって警察も取り締まりにかなり力を入れたことから、かなり率は上がっている(未だ地域差はあり)。また、譲ってもらってもそれでも行ってはダメとされたが、流れとしておかしいし、押し問答的になって交通が滞ることから取り締まりはしないことにはなっている。

ちなみに、自転車も渡らせるのを見かけるが、自転車はあくまでも軽車両、つまり自動車の一種なので優先させる必要はなし。逆に自転車の前にある横断歩道を渡る歩行者がいればクルマ同様に停止線で止まって、渡らせるのが基本。また横断歩道以外では、横断者優先にはならないなど、歩行者はなんでも優先ではないのも覚えておきたい。

2. 追い越し車線を延々と走るノロノログルマ

こちらもあおり運転が問題になったときに、煽られる側にも問題があるとされ、その典型例として挙げられたのが追越車線をマイペースで走るクルマ。制限速度を守っているからいいじゃないかと思っているのだろうが、通行区分帯違反で、これはスピード違反の次に多い交通違反。乗用車の場合、点数は1点、反則金は6000円となる。

さらに追い付かれた車両には速やかに譲る義務もあって、点数や反則金は通行区分帯違反と同じ。ちなみに両方を同時に違反していた場合でも、適応されるのはどちらかになる。いずれにしても、違反うんぬんではなく、車線の厳守や速やかな車線変更などは交通マナーとして大切だということを頭に入れておきたい。

3. 無灯火やハイビームのままの夜間走行

たまに見かけるのが夜でもライトを点けないで走っているクルマ。ボディカラーが黒などの濃色の場合、目立たなかったり、溶け込んでしまったりしてとても危険だ。原因は自発光のメーターが増えたことで、運転しているドライバーはライトが点いていると勘違いしがち。前方が暗くておかしいなと思わないのか不思議ではあるが……。

そしてもうひとつがハイビームのままのクルマ。原因はすでに紹介したポイント同様に「ハイビームで走るのが基本」と一時話題になったことと、オートハイビームの普及がある。後者はオートとはいえ、歩行者には反応しにくくて、ハイからローに切り替わらないでそのままということも珍しくないだけに要注意だ。

実際に警官をハイビームで強烈に照らしてしまい、切符を切られた例もあるので、ライトの向きぐらいでと油断してはいけない。減光等義務違反で、乗用車の場合、点数1点、反則金6000円で、無灯火も同じとなる。

4. 微妙な左側からの追い越しと追い抜き

そもそも「追い越し」と「追い抜き」の違いはなにかをご存知だろうか。追い越しは右から抜いて、前走車の前に出ること。追い抜きは隣の車線を走っていて、横を走っているクルマの前に出ることで、事前に車線変更して戻らない場合も含む。追い越しをするのは基本的に右の車線からで、左の車線からは違反になる。ただし、追い抜きは自然な流れに乗っていたら左側車線のほうが速くて前に出てしまうのは違反ではない。

微妙なのは左に出て、右側車線を走るクルマを抜いて、しばらくして右の車線に出たときで、一見すると追い越し、いわゆる左抜きに思える。ただし、右に出るまでの時間が長ければ、追い抜きをしてしばらくしてから単に車線変更をしただけとも言える。

取り締まりとなった場合、どれくらいの時間走るのが追い越しと追い抜きの基準なのかで揉めることもある。厳密な基準はなくて、取り締まり警察官の現場判断になるので、紛らわしいことはしないほうがいいだろう。点数2点、普通車で反則金9000円となるのでなおさらだ。

文/近藤暁史