5月13日、東京国際フォーラムにて、映画『ディア・ファミリー』の完成披露試写会&舞台挨拶が開催され、大泉洋、菅野美穂、福本莉子、川栄李奈、新井美羽、上杉柊平、松村北斗(SixTONES)、光石研、月川翔監督が登壇した。

本作は、娘の命を救いたい一心で医療器具の開発に挑み、のちに17万人もの命を救うことになるIABP(大動脈内バルーンパンピング)バルーンカテーテルを生み出した父親の実話を映画化したもの。監督は『君の膵臓をたべたい』(17)の月川翔、脚本は『ラーゲリより愛を込めて』(22)の林民夫が担当。主人公の宣政は、『月の満ち欠け』(22)の大泉洋、妻の陽子は『明日の食卓』(21)の菅野美穂、娘の佳美は『今夜、世界からこの恋が消えても』(22)の福本莉子が演じる。

完成披露試写会では、撮影の裏側について語ったメンバー。そこで大泉は「なにかの番組で見たんですけど、松村君は役者として撮影に参加する時にはなるべく地味な格好で行くようにしているとか。僕の現場には、めちゃめちゃハイブランドを着てきていましたけど」と、口を尖らせながら報告した。

すると松村は、「そうです。(自分は)俳優ではなく、畑違いの場所に入るので、少しでもハードルを下げようと…。例えば、バチンと(全身を指差して)ディオール!みたいなのが来たら『なんだこいつ。なにしに来た』って思うじゃないですか。だから、ものすごい安い服を着ていくっていう」と説明したが、大泉は「バリバリ、ハイブランドを着てきていました!」と反論。

これに松村が「大泉さんにとってのハイブランドっていくらからなんですか?無地のスウェットですよ、毎日」と冷静な口ぶりで応えると、大泉は「いやいやいや、お前、随分失礼なことを言うな。僕にしてみたらそんなに高くないんですけど、みたいなこと?なんやお前!」と一触即発の状況になり、会場は爆笑の渦に包まれた。

上映後に行われた舞台挨拶では、月川監督が「これは“人の命が尽きていくことが悲しい”という映画ではない」と説明。「“多くの人の命が救われていく”というところで感動を生み出していきたいという、そういう前向きなメッセージを込めて僕たちは作ったので、そういう思いが皆さんの心に響いていてくれたらうれしいなと思っています」と話した。

また、大泉も「本当に、自分が見ているこの時間っていうのは当たり前ではなくて、1秒1秒、その時を大切にしながら一生懸命、無駄にせず生きたいなという風に思いました」と、本作に関わったことで感じたことをコメント。

さらに「自分がしたいことは誰の目も気にせずにやればいいと思うし、その自分のしたことが誰かのためになって、その営みが続いていって、人々が幸せになれる世の中になっていけばいいなと。大きな話ではありますが、そんなことを感じさせてくれる映画になったなと思います!」と、作品をアピールし、イベントを締めくくっていた。

取材・文/平井あゆみ