能登半島地震で、一時市内全域の2万1000世帯あまりで断水した石川・七尾市では、応急復旧工事が完了しました。一方で、家庭で水が使えるようになるには多くの課題が残ります。

4日、作業にあたった名古屋市上下水道局の職員が七尾市の茶谷義隆市長に作業終了を報告しました。

七尾市では、県の水道管の損傷などにより、市内全域で最大2万1000世帯あまりが断水しました。名古屋市をはじめ、全国41の事業者が92日間にわたって応急復旧作業を行い、1日に市内全域で通水しました。

名古屋市上下水道局・根門晋治管路部長「かつてないほど範囲が広く、作業は困難だった」

七尾市内全域で水道が通ったものの、各家庭で水道が使えるようになるには、まだまだ多くの課題があります。敷地内の水道管が被害を受けた住宅が多くあり、家の前まで水が来ていても水が使えない、もどかしい状態が続いています。

竹内大生さん「家の水道が使えないのでくみにきている」

七尾市石崎町に住む竹内大生さん。

自宅の水道管が損傷し水が出ないため、井戸水が使える近所の祖父の家へ水をくみにきています。修理を依頼していますが、開始のめどすら立っていません。

竹内大生さん「いつ工事できるのかもわからない。排水管もやられているので水が出ても普通の生活には戻れない」

敷地内の配管修理は、家の所有者の負担です。

一方で建物の水道管に被害はなかったものの、飲み水として使えないところも…

鮮魚浜井・浜井庄一郎代表「水質検査のめどが立たなくて、飲み水としては使えない。当分は運んできた水を使う」

七尾市では市内の水道業者だけでなく県内外の業者に依頼するよう呼びかけていますが、すべての家庭で水が使えるようになるにはまだ長い時間がかかりそうです。