岡谷市は今年度の新規事業で「家族にもやさしい職場づくりでUIJターン強化事業」を始めた。仕事と家庭の両立が図られる職場づくりに向けて、市内企業に対して市とコンサルティング事業者が伴走支援する。さらに、その企業の採用情報をUIJターン希望者に積極的にPRしていくことで、市内企業の人材確保対策とする。今月12日にセミナーを開いて参加企業を募る。

 同事業では県の制度を活用し、▽「社員の子育て応援宣言制度」の実践▽「職場いきいきアドバンスカンパニー制度」のうちワークライフバランスコース(さまざまなライフスタイルやニーズに合わせた働き方ができる企業)の認証取得│のいずれかを参加企業の必須の成果指標とした。

 さらに、▽職場の人間関係が良好などの「心理的安全性のある職場づくり」▽確かな昇格や給与の制度など「キャリアパスの構築」―のいずれかも必ず達成すべき目標とする。ほかに家族の介護支援や作業服の見直しなど、企業の個性が表れた独自の目標も設定する。

 市は企業の目標達成を支援し、達成した企業については、県の移住ポータルサイトをはじめとした関係のホームページ、ふるさと回帰フェア(東京都)などの移住イベント、県外大学などへ採用情報を発信する。

 対象企業は最大8社で、参加負担金は5万円。企業規模に制限はない。申し込み多数の場合は市が選定する場合がある。事業の費用として市は今年度一般会計当初予算に503万円を計上。担当の市工業課によると、すでに興味を示している企業が数社あるという。

 セミナーは12日午後1時30分からテクノプラザおかやで、西軽精機(佐久市)の上原大輔社長が講師。同社は組織のフラット化、全社員がん保険加入、社員持ち株制度、仕事が終わった人は午後4時30分に帰ってもよい制度などの人を大切にする「幸せ経営」の実践で、順調な人材確保と離職率ゼロを達成しているという。

 セミナーは受講料無料で市外の企業も受講可能。申し込み締め切りは11日。問い合わせはテクノプラザおかやの同市工業課雇用対策担当(電話0266・21・7000)へ。