諏訪署管内の諏訪市と下諏訪町で今年に入り、インターネット交流サイトを使ったSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害が多発している。被害は投資詐欺3件、ロマンス詐欺4件の計7件。電話でお金詐欺(特殊詐欺)に比べて高額被害が目立ち、年明けからの3カ月余で被害金額は既に1億3500万円を超えている。同署は「SNSを利用する、あらゆる世代が被害に遭う可能性がある」として注意を呼び掛けている。

 SNS型投資詐欺は、SNS上で架空の投資話を持ち掛けるなどして、指定した口座に現金を振り込ませる。同署管内では60〜70代の男女3人が被害に遭い、このうち60代女性は金融商品詐欺で約1600万円をだまし取られた。

 70代男性はSNS上の投資関連の広告にアクセス。投資の先生や取引所の管理者を名乗る男らから「FX(外国為替証拠金取引)を始めるための初期投資費用を振り込んでほしい」「利益が出る」などとメッセージが届き、ネットバンキングや市内外の金融機関から、8回にわたり計1426万円余を振り込んだ。

 一方、ロマンス詐欺は、SNS上で知り合い、恋愛感情を抱かせて現金をだまし取る手口で、管内の被害者はいずれも男性。70代男性は「将来一緒に旅行するためには資金が必要」などというメッセージを受け、合計4000万円を相手に指定された口座に振り込んだ。初期の複数回のやりとりで親近感を抱かせ、投資や交際の継続を前提にさまざまな名目で入金を要求するという。

 これらの中では、投資のアプリをダウンロードさせて虚偽の利益を表示することで信用させたり、有名人をかたる広告から投資に勧誘したりする手口も確認されている。

 同署生活安全課は、ロマンス詐欺などの手口を載せた防犯速報を作成、配布するなど警戒を強化。ネットやSNSでの投資話やもうけ話をうのみにしないことや、「1人で判断せず、現金を振り込む前に警察や家族に相談してほしい」と求めている。