いよいよ今年7月に始まるパリ五輪、パラ五輪。この大会の聖火を運ぶトーチが実は愛知県豊川市で作られ、作業が大詰めを迎えています。

 五輪の象徴である「聖火」。

 東京五輪の聖火リレーでは、この地方でも多くの人が声援を送るなど盛り上がっていました。

 そして、3年が経った今年は五輪イヤー。

 7月からパリ五輪が始まるのを前に開会式の舞台となるセーヌ川でトーチのデザインが発表されました。

 陸上男子100mの世界記録保持者、ウサイン・ボルトさんも手にしたトーチ。

 実は、東海地方にも関係があったんです。

1通のメールから製造することに

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 「弊社が製造する燃焼部になります。バーナーですね。点火された聖火が出てくるメインの構造です」(新富士バーナー 開発部 山本洋平 係長)

 愛知県豊川市の「新富士バーナー」。

 キャンプに欠かせないバーナーなどを製造する会社です。

 開発部の山本さんの元に届いた1通のメールをきっかけにパリ五輪で使うトーチのバーナーの部分を製造することになりました。

 「2022年8月ごろですかね、パリの組織委員会の担当者からメールが1通送られてきて、ちょっと興味がないかどうかと、すごく驚いたんですけど、すぐに『興味あります』と返答しました」(山本係長)

「炎がどういう風に見えるのかこだわって作っている」

パリのトーチのために、調整して炎の出し方や空気の取り込み方とかこのトーチならではの設計

 東京五輪のときもバーナーを製造しました。
 
 前回は、桜をモチーフとしたデザインでしたが、今回は「平等」を意味し、上下左右を対称としたデザインで工夫が必要だったといいます。

 「パリのトーチのために、調整して炎の出し方や空気の取り込み方とかこのトーチならではの設計をした」(山本さん)

 試行錯誤を重ねること、約1年。

 2000本分の製造予定で9割ほどは完成し、大詰めを迎えています。

 毎時60km/hの突風や大雨警報級の雨など過酷な環境に耐えられるように検証を続けていくということです。
 
 「炎がどういう風に見えるのか、こだわって作っているので、走ったときに旗みたいにたなびくとか、何cmぐらい伸びているのか、注目して見てもらえるとうれしいかなと思います」(山本係長)

 (4月8日 15:40〜放送 メ〜テレ『ドデスカ+』より)