競馬史に新たな1ページを刻めるか。「ウマ娘」の藤田晋オーナーが所有するシンエンペラー(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)が、史上初となる日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)の外国産馬Vを狙う。

 シンエンペラーは父Siyouni、母Starlet's Sister、母の父Galileoという血統。全兄のソットサス(Sottsass)は19年仏ダービー、20年ガネー賞、凱旋門賞の勝ち馬。半姉のシスターチャーリー(Sistercharlie)もG1を7勝している。この血統が評価されて、22年のアルカナ・ドーヴィル1歳セールでは210万ユーロ(約3億円)の高値となった。

 ここまで5戦2勝。昨年11月の新馬戦(東京芝1800m)は好位から抜け出して快勝。続く京都2歳Sは一転して後方からの競馬となったが、直線で馬群の中から伸びて差し切り。無傷の2連勝で重賞ウイナーの仲間入りを果たした。その後はホープフルSが2着、弥生賞が2着、皐月賞が5着と勝ち切れていないが、世代トップレベルの力を秘めていることは確か。血統的に距離延長は歓迎なので、大一番での巻き返しがあっていい。

 外国産馬は01年に門戸が開かれて以降、14頭が出走。5番人気以内に支持された馬も4頭いたが、02年のシンボリクリスエスの2着が最高着順となっている。牡馬クラシック全体でも初となる外国産馬Vがかかる一戦。名門・矢作厩舎が送り出す世界的良血馬の走りに要注目だ。