日本原子力研究開発機構と国立がん研究センターは2月29日、放射性同位元素で標識した薬剤の研究開発などに関する協力協定を結んだ。原子力機構は医用利用できる放射性同位元素の原料調達や提供体制の確立などを検討し、国立がん研究センターは同元素の提供体制の確立に向けた技術的な支援や医用利用のための基盤研究を進める。薬剤の研究開発や医用利用可能な放射性同位元素のサプライチェーン(供給網)の構築を目指す。

がん治療に使うアクチニウム225を高速実験炉「常陽」(茨城県大洗町)で製造して国立がん研究センターの付属病院などで利用できるようにする。アクチニウム225以外の有望な放射性同位元素についても研究用原子炉「JRR―3」(同東海村)などを活用して製造研究を進める。