ニシマキ産業(広島県尾道市、西牧修作社長)は、粉じんほか粉体廃棄物の吸引と袋詰めを1台でこなす車両を導入した。従来は吸引車と別に必要だった、袋詰めのホッパーを運搬する車両1台と作業者1人を減らせ、施工期間も短縮できる。7月にさらに1台を導入し、4台体制とする。投資額は2台で約2億円。

同社が導入した「ツインバック」車両は兼松エンジニアリング製。走行用のエンジンを動力源として、粉じん・粉体の吸引とフレキシブルコンテナへの袋詰めを1台でこなす。吸引能力は最大で毎分80立方メートル。サイクロンホッパーとバグホッパー、2段階機構により集塵率を99・9%に高めた。

従来は吸引車と別にホッパーを運搬・設置する必要があった。このため据え付けに2時間程度かかっていたが、新車両では到着後10分で作業を開始できる。1日当たりの吸引・袋詰め能力は、従来方式の3、4倍に向上し、工期は半分以下に短縮できる。

新車両はセメントや木質ペレット、飼料や断熱材など乾いた粉体を対象とし、工場の解体やメンテナンス時、あるいは操業時の清掃用途を見込む。現場まで自走でき、青森県から鹿児島県まで施工実績がある。

乾いた粉体は装置のいろいろな部分に侵入するため、故障の原因になりやすい。対策として水を混ぜてスラリー状にして吸引することが多いが、廃棄物処理コストが高くなる原因になっていた。

同方式の車両は全国で20台弱しかないという。工場の環境対策や操業コスト低減に寄与できるためニーズは旺盛で、ニシマキ産業は車両導入後に高い稼働率を見込んでいる。