山崎育三郎(38)が28日、都内のアーバンドックららぽーと豊洲で、24日にリリースした6年ぶりのオリジナルアルバム「The Handsome」リリースイベントを開いた。

この日は、アルバム購入者に向けて、優先観覧などの特典があったが、基本的にはフリー。誰でも観覧できた。これまでフリーライブや野外フェスの出演経験はあったが、帝国劇場でも主演を張るミュージカル俳優として国内の著名な劇場のステージに立つ山崎が、こうして屋外でフリーライブを行うのは異例。

MCでは、そのあたりを踏まえ「スーパースターじゃない? 高いお金でクローズ(劇場などの会場)じゃないと見られない育三郎を、ただで見られる。“ただ三郎”をお楽しみに」などとジョークを飛ばした。

ステージのバックは屋外飲食スペースで、ビールを飲む男女らもステージを見守った。

山崎は「何か食べたり、ビールを飲んでいるバックで歌うことないの。僕は、帝劇でも主演俳優ですよ。(会場の一部で)工事をしているバックで歌う…こんな機会、ないので」と言い、笑った。

そして「ひそかな夢」「君に伝えたいこと」「Witch GAME」の3曲を披露した。

「The Handsome」は、劇作家・演出家の根本宗子をプロデューサーに迎え、OKAMOTO'S、マハラージャン、清竜人、吉澤嘉代子、大森靖子らが楽曲提供し、この世で最もハンサムな結婚詐欺師“ハンサム”の物語を紡ぐ作品となった。

イベント前に取材に応じた山崎は、コンセプトについて「こういうスタイルのアルバムは、見たことがないと言っていただける。ミュージカルのサントラのような、1曲目から物語でつづられていって、この世で最もハンサムな結婚詐欺師ハンサムの物語で楽曲が進み、2つのミュージカルを見たかのようなアルバムになっている。頭から順番に聴いて、ストーリーを追って欲しい」と語った。

なぜ、結婚詐欺師をコンセプトにしたのか? と聞かれると「根本宗子さんが、日常の物語よりも飛躍した、ファンタジーな主人公にした方が、楽曲の振り幅が大きくつけられると。この男が、どういう人生を生きてきたかをたどることで、よりいろいろなジャンルの楽曲だったり、皆さんに参加してもらいやすい。根本さんの中では、山崎育三郎=結婚詐欺師というのが、ピンときたらしく、面白い作品になるなと」。根本のアイデアだと説明した。

「キャラクターとして魅力的に演じられるかは、自分でも挑戦しがいがあると思いましたし、面白いアプローチだなと」と前向きに臨んだと振り返った。

普段は、帝国劇場をはじめとした大舞台で歌唱することが中心だけに、屋外で歌った感覚は「全然、違う。割と室内にいることが多い。太陽を浴びるキャラクターでもないので、ちょっと似合わないなと」と本音を吐露。

「(劇場では)見てもらう前提でステージに立つじゃないですか? (屋外は)そうじゃない方もいらっしゃる空間ですし。ミュージカル、コンサートもそうですけど、一番後ろのお客さまも、どこかつかんでいる、空間を自分の世界で、いっぱいにする感覚があるんですけど、それがないので、投げっぱなしみたいなところがある。それは、それで楽しみ」と語った。

その言葉通り、ステージでも「(衣装が)暑いね…ハンサム、外、似合わないよ。脱ぎたい」などと、昼から赤裸々トークを展開。歌唱中、犬が大きな声でほえる一幕もあったが「ワンちゃん、けんかしてる。大丈夫? ワンちゃん、発声いいんだよ。のど壊してるワンちゃん、見たことない。ちゃんと体、使うんだよ」などとネタにして観客から笑いを取った。