2014年4月期と15年7月期に日本テレビ水曜夜10時枠で放送された「花咲舞が黙ってない」が、今田美桜(27)主演のリメークで日テレの新ドラマ枠「土ドラ9」の第1弾として登場。18日放送の第6話の平均視聴率は世帯7.5%、個人4.5%だった(関東地区=ビデオリサーチ調べ)。

 初回放送後、ネット上では《花咲舞というと、どうしても杏さんのイメージから離れられない》《いや、今田美桜もよくやっているし、シンプルに面白い》など賛否両論あったが……。

「TBSの超ヒットドラマ『半沢直樹』の池井戸潤さん原作で、“女性版半沢直樹”とも言われた杏さん版のイメージを引きずる人が多いのは確かです。それでも、花咲舞というキャラクターの強さはキャストが変わっても魅力的だったのでしょう」(テレビ誌ライター)

 キムタク主演の「Believe」、山P主演の「ブルーモーメント」など視聴率が右肩下がりのドラマも多い中、世帯7%台、個人4%台をキープしているのは十分健闘と言えるだろう。

 11日放送の第5話では“半沢直樹”も登場。TBS日曜劇場「半沢直樹」で強烈な印象を残した堺雅人(50)の代わりに誰が演じるのかでネット上を騒がせ、放送でそれが劇団ひとり(47)だったことが判明すると、《なんかイメージと違う》《コントにならないように頑張ってる》《キスマイ宮田がやるのをちょっと期待してたけど、これはこれでハマる》などなど大いに盛り上がっていた。

 テレビコラムニストの亀井徳明氏は「そういうキャスティングでネットの反響を誘う仕掛けをすると同時に、ネットとは関係なくリアルタイムで視聴する層に向けての施策も感じる」と、こう続ける。

「象徴的だったのが、第5話終盤の地味なワンシーン。旅館への融資を頑なに却下する支店長が花咲舞に“お言葉”を返されて翻意するんですが、その後に支店長がスマホで自撮りして。舞が指摘した《この町の温泉を使ったから若返ってる》ことを確かめます。今どきのドラマならこのシーンはなくても伝わるのに、あえてそこに時間を使う。他にも、善悪の立ち位置のシンプルな分かりやすさもそうだし、不穏な場面で流れるいかにも不穏な劇伴もそう。ベタといえばベタですが、これがリアタイ視聴世代には見やすかったりする“親切設計”なんです。あえての昭和ドラマっぽさなんじゃないでしょうか」

 ネットで話題にしてほしい、でもリアルタイムの視聴率も大事。そのバランスが今どきのドラマの浮沈を決めているのかもしれない。

 前出のテレビ誌ライターは「今田さんは、1992年放送の石田ひかりさん主演ドラマ『悪女(わる)』(日本テレビ系)の2022年リメーク版でも主演しています。こうなったら、往年のヒットお仕事ドラマの“リメーク請負人”になってほしいですね。観月ありささんも良かったですが、今田さん版の『ナースのお仕事』(フジテレビ系)なんかも見てみたい」と笑う。

 若いネット世代もリアタイ視聴の中高年世代も取り込めるのが今田の強みとも言えそうだ。