この日も試合後に口を開くことはなかった。

 14日の中日戦で連敗を止めた阪神の岡田彰布監督(66)である。

 開幕からリーグで唯一、勝率5割を一度も超えていないなど、波に乗れない阪神は、昨季全試合で4番を託した大山を5番に下げるなど、打線を大幅に組み替えて勝利。岡田監督は阪神での監督通算勝利数を484とし、吉田義男氏と並ぶ球団歴代2位タイとしたが、今月5日から続く取材拒否は今も解除されていないという。

 岡田監督の取材拒否はオープン戦期間中に次いで今季2度目。

 1度目は数日で解除され、本拠地で勝利した際のテレビインタビューには応じているものの、今回はすでに10日が経過している。

 複数のメディアによれば2度目の取材拒否は、4日のDeNA戦に敗れ、開幕から2カード連続負け越しとなった試合後、岡田監督が「まあちょっと想定外やな。ちょっとやな。別にまだ2カードやから」などとコメントした翌日、スポーツ各紙が「想定外」とデカデカと報じたことに、「ウソを書かれた」と激怒したことが原因という。岡田監督はかねて報道陣の取材姿勢に不信感を抱くなど、取材拒否に至る伏線はあったとはいえ、これに頭を抱えているのは報道陣だけではない。

 チーム内外からは「コーチ陣も困っている」との声が聞こえてくる。現場トップが取材に応じない以上、コーチも取材に応じづらい。岡田監督は毎朝、スポーツ紙を隅から隅までチェックしているといわれるだけに、首脳陣の口はますます重くなっているという。

「まして今はチーム状態がイマイチ。遠征先では数人のコーチが岡田監督の晩酌のお供をしているが、毎回毎回、気楽にグラスを傾けられるような状況ではなく、コーチ陣も気が気じゃないようです」(放送関係者)

 選手やスタッフの負担も増えかねない。

 この日、岡田監督は大きく打線を組み替えたが、メディアは指揮官からその意図を直接聞けない以上、選手やスタッフらの取材で補わざるを得ないからだ。

 いずれにせよ、監督の取材拒否の長期化は異例といえる。番記者との“手打ち”はいつになることやら……。

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 今季が2年契約の最終年の岡田監督だが、実は契約延長説が急浮上している。関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。