西からやって来た巨人の“潜水艇”が、広島打線を沈黙させた。

 オフに同僚の泉と共に、ウォーカーとの2対1のトレードでソフトバンクから巨人に移籍したサブマリン右腕の高橋礼(28)。14日の広島戦で先発し、7回2安打無四球で1失点に抑え、2勝目を手にした。

 三回に内野ゴロの間に1点を失うも、これが移籍3試合目にして初失点。防御率0.47はリーグトップタイだ。

 専修大から2017年ドラフト2位でソフトバンクに入団すると、2年目の19年は先発ローテの一角として12勝6敗。翌20年は中継ぎとして52試合に登板し、4勝2敗、防御率2.65の成績でリーグ優勝と日本シリーズ4連覇に貢献した。

 しかし翌21年から昨季までの3年間で20試合にしか登板できず、1勝のみ。防御率も5.82、13.50、10.80と散々だった。

 ソフトバンクOBは不調の原因を「球速が落ちたからです」と、こう続ける。

「入団当初は直球のMAXが146キロで、平均球速も135キロ台中盤。速球派サブマリンとして打者をきりきり舞いさせていた。それが21年は頑張って投げても130キロ前後がせいぜい。ホークスには以前、足利豊さんというサブマリン投手がいたが、この人も直球が130キロ台から120キロ台に落ちて以降は活躍できなかった。阪急の山田久志さんや西武の松沼博久さんは直球の球速が落ちなかったから長く活躍できた。下手投げ投手こそ球速が最重要なんです」

 それでも高橋は腐らず、奮闘していた。

「出力を上げるトレーニングを泉とやっていた。リリースする瞬間、いかに効率よくパワーをボールに伝えられるかを身につけるため、オフシーズンは東京の施設で練習。復活の兆候が出てきたところにトレードが決まった。真面目な性格で、昔は真面目すぎるあまり空回りすることもあったが、今の高橋ならその心配はないでしょう」(前出のOB)

 この日は直球が常時130キロ台、最速137キロをマークした。

「ナイスピッチング、その一言です」とは阿部監督。

 新天地でもチャンピオンフラッグを掴めるか。

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 11日のヤクルト戦で先制決勝適時打を放ち、バットでも結果を残した小林は、例年以上に目の色を変えているそうだ。それを裏付ける、打撃コーチに送り付けたとされる「死に物狂い」なLINE自撮り動画の中身とはーー。

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