本命視されていた巨人ではなかった。

 前ジャイアンツの筒香嘉智(32)が古巣・DeNAへの5年ぶりの復帰を決断したという。その去就を巡って一部スポーツ紙は「巨人決定的」と報じていた。実際に巨人も獲得に手応えを感じていたという。

「巨人は筒香に3年程度の複数年契約を提示したうえに、阿部監督の現役時代の背番号『10』も用意した。阿部監督は筒香とかねて公私ともに親交があり、食事をしたり、治療院を紹介したりする仲。新助っ人のオドーアが開幕直前に電撃退団したこともあり、獲得前の段階で『選手としては実績十分だし、人間性も素晴らしい』とコメントするなど、獲得を熱望した。巨人とDeNA以外では、ヤクルト、ソフトバンクなども関心を持っていたようですが、条件面では他球団をリードしていたともっぱらです」(パ球団編成担当)

 が、筒香は古巣への復帰を決断。元サヤに収まり、巨人は土壇場で恋人にフラれる結果になった。

「DeNAが複数回の交渉で条件を上積みするなど、攻勢をかけました。ポスティングで筒香を送り出す際に、日本球界復帰時の出戻りを熱望。巨人が以前から獲得を目指していることも把握しており、萩原チーム統括本部長は、『できる範囲の中で最大の条件を出している』と、最終的に巨人と同等かそれ以上の条件を提示。『監督手形』を約束したとのウワサもある。昨年、助っ人のバウアーを獲得する際に、アパレルブランドとのコラボやロッカールームなどでの動画撮影を許可する旨を契約に盛り込んだように、筒香が地元・和歌山で行う野球振興のサポートを約束した可能性もあります」(同)

 ベイスターズファンによる復帰待望論も筒香の背中を押したという。

「ネット上では、筒香獲得を後押しする声が少なくなかった。筒香の本職は外野と一塁ですが、今のDeNAの外野手は佐野、ドラ1の度会、関根、桑原らがいて飽和状態。米球界での4年間はマイナー暮らしが続いた筒香は、戻っても守る場所がない、という意見もあった。しかしファンは宮崎や佐野、オースティンらとの併用になったとしても、戻ってきてほしいと声を上げた。そこにきて先日、一塁のオースティンが右太もも肉離れで長期離脱。獲得を望む声が一層高まった。筒香自身、復帰しやすくなったのは間違いないし、球団も筒香人気がグッズなどの売り上げアップをもたらすと踏んでいるようです」

 とは、メディア関係者だ。(つづく)

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 チームから強く求められた上での古巣復帰だったことは疑いようもないが、筒香は26年ぶり優勝を目指すDeNAにとって「救世主にはなりえない」というシビアな見方もある。すでにピークを過ぎていることに加え、「決定的」とも言える弱点があるからだ。

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