今季中にFA権を取得する見込みの阪神・大山悠輔(29)の動向に他球団が目を光らせている。

 基本的には阪神に残留する可能性が高いと見られるが、それでも「目に見える打率や本塁打などの数字以上に価値のある選手」(セ球団フロント)という声もあり、阪神が大山に納得できる条件を提示するかどうかで、各球団の動きが活発になるはずだ。(【前編】からつづく)

  ◇  ◇  ◇

 仮に大山が手を挙げた場合、獲得に乗り出す球団はどこか。

 資金力豊富な球団といえば近年、大型契約で多くの選手を獲得しているソフトバンクとオリックスが2トップだが、ソフトは昨オフ、右打ちの一塁手である山川をFAで獲得。オリックスも昨季首位打者の頓宮がいる。

「資金力はソフト、オリに劣りますが、打線が低調で4番打者不在の西武、ロッテ、楽天あたりは大山がいてくれたら心強い。巨人の存在も気になります」とは、マネジメント関係者である。

「巨人は先日、前ジャイアンツの筒香の獲得に失敗しました。提示条件はDeNAを上回っていたとされるだけに、フロントも現場もショックは大きい。助っ人のオドーアが開幕前に電撃退団して、戦力構想が狂った上に、今オフには、一塁の岡本のポスティングによるメジャー挑戦がウワサされている。右の強打者が少ないチームから主砲が流出すれば、大幅な戦力ダウンは必至です。

巨人は過去に、阪神からFA宣言した選手を獲得した例はありませんが、数年前には2度目のFA権を取得した西勇を調査し、昨オフは現役ドラフトで阪神から右腕の馬場、構想外になったケラーを獲得した。20年には巨人の山本(現中日)が阪神へ金銭トレードで移籍。16年ぶりに両球団間のトレードが成立するなど、時代は変わりつつあります。大山を獲得できれば阪神の戦力をそぐ上でも効果は大きい。条件面は阪神に負けないはずですから、あとは大山がどう判断するかでしょう」

 17日の伝統の一戦は、阪神が巨人に勝利。4番一塁でスタメン出場した大山は無安打に終わったが、四回無死満塁のピンチでは好守で勝利に貢献した。両軍の今季の対戦成績は2勝2敗1分けの五分。今後は虎の主砲を巡る場外戦も白熱するかもしれない。

  ◇  ◇  ◇

関連記事【前編を読む】…では、大山の「目に見える打率や本塁打などの数字以上の価値」について詳しく報じている。