<イースタン・リーグ:オイシックス4−0西武>◇25日◇ハードオフ新潟

オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブの飯田大翔投手(24)が、念願の初勝利を挙げ、カード勝ち越しに導いた。西武戦で今季3度目の先発マウンドに上がり、5回を2安打5奪三振の無失点。打線も2ケタ10安打で4点を奪って好投に応えた。社会人野球セガサミーから加入し、新潟の地でNPB入りを目指す右腕。“三度目の正直”で、確かな1歩を刻んだ。

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クールな男の表情が崩れた。「ありがとうございます」。試合後、報道陣からの「初勝利おめでとうございます」という言葉に、マウンド上では決して見せない満面の笑みで応えた。

ピンチでギアを上げた。2回1死満塁。安打と2四死球で招いた序盤の窮地で、9番元山飛優内野手(25)を「気持ちを入れました」とスライダーで空振り三振に仕留めた。続く鈴木将平外野手(25)は決め球のフォークで空を切らせ、2者連続三振。「自分が作ったピンチだったので、絶対に点はあげられない」と、決定打を許さなかった。5回には安打と失策で1死一、二塁としたが、ここもホームは踏ませず。5回を無失点に封じ、勝利投手の権利を得て、マウンドを中継ぎ陣に託した。

前回18日のロッテ戦は6回2失点、初先発だった前々回の11日巨人戦は6回無失点。ともに先発投手の役目は果たしたが、打線が抑えられてチームは敗れた。そして3度目でつかんだ待望の初白星。4点を奪った打線の援護もあり、「うれしいっすね。耐えて、耐えてやるしかないと思ってたんで、まず1勝出来てよかったです」と感謝した。

地に足はついている。「もっとイニングを重ねられるように。後ろの投手にも負担をかけないように次は7回、8回を目指していきたい」。この1勝はあくまで通過点。次も淡々とポーカーフェースで投げ続ける。【大島享也】

○…“元NPBコンビ”が飯田の初勝利を援護した。4回無死満塁で前阪神の5番高山俊外野手(31)が先制の右前適時打。1点リードの7回2死満塁では、4番に座った元ヤクルトの中山翔太外野手(27)が走者一掃の左越え二塁打を放ち、貴重な追加点を挙げた。3安打1打点で今季初の猛打賞を決めた高山は「(4回は)どんな形でも(先制点)と思ってた。いい結果になってくれてよかった」と喜んだ。

◆飯田大翔(いいだ・やまと)1999年(平11)7月28日生まれ、長崎出身。長崎・海星高から社会人セガサミーに入社し、6年間プレー。昨年11月のトライアウトを経てオイシックス入団。180センチ、88キロ。右投げ右打ち。