<阪神2−8ヤクルト>◇26日◇甲子園

あこがれの選手のプレーを楽しみにしていた子どもたちを、喜ばせることはできなかった。「ゴールデンウイークこどもまつり」の初日。阪神が今季ワーストの1試合4失策で、10試合ぶりの黒星を喫した。今季の1試合最多失策は1つだっただけに、岡田彰布監督(66)は「ホンマ、出たら一気に出るなあ」とため息のようにもらした。

昨季ゴールデングラブ賞を受賞した名手に、まさかのプレーが続いた。2点を追う4回無死一、二塁で、木浪聖也内野手(29)が武岡の遊ゴロをファンブル。青柳の足を引っ張ったプレーに、指揮官は「武岡とかあの打球でゲッツー取れへんよ、はっきり言うて。そんなん慌てる必要ないねん。1つでええねん。そら相手の足とか考えたらなあ」と苦い表情を浮かべた。

1度傾いた悪い流れは止まらない。1点を追加されてなお無死満塁。西川の中犠飛で木浪はカットプレーに入ったが、今度は本塁への送球を引っかけて悪送球。ボールが一塁方向へ転々とする間に進塁を許し、失点を重ねるきっかけをつくった。7回にも長岡の遊ゴロを捕球できずプロ最多の1試合3失策。背番号0は「練習しっかりします」と静かに繰り返した。負の連鎖は続き、6回2死一、二塁では、同じく昨季ゴールデングラブ賞の一塁大山が村上の打球を後逸。7点目を失う適時失策となった。

1試合4失策は今季12球団最多で、計12失策もヤクルトと並びリーグワースト2位。今季最多の8失点で完敗した試合でもう1つ、指揮官が苦言を呈したのは坂本に対してだった。4点を追う5回無死一、二塁の攻撃。小川の高め直球で犠打を試みたが送れず、二塁走者のノイジーが三塁封殺となった。「あんなんも高めのクソボールやろ。ランナースタート切れんて。自分だけのバントじゃないんやからな」。流れを変えられる可能性のあった場面での失敗に、岡田監督は顔をしかめた。

2分けを挟んでの連勝は7でストップ。当たり前の1プレーを再確認し、首位をしっかり守りたい。【磯綾乃】

▽阪神馬場内野守備走塁コーチ(3失策の木浪について)「固まってしまった感じになったかな。失点になってるからね。(4回の悪送球は)ファーストがカットにいっているんで、ちょうどいないところにね。(4回の武岡のゴロ失策は)あそこでゲッツー取りたい気持ちは分かるけど、1つもアウトを取れなかったのはね」

▽阪神大山(6回に村上の打球を後逸)「反省はしっかりして、明日の試合に向けて準備するしかないと思います」