◆九州地区高校野球福岡大会準決勝 大牟田4―3九州産業(4日・北九州市民)

 大牟田が九州産業を破り2011年秋以来25季ぶり3度目の九州大会出場を決めた。左腕エース境利月(りつ)=3年=が3失点で完投。1回に1点を先制されたが、5回に味方打線が3連打などで逆転。最終回に2死から1点差まで追い上げられたが、最後は内野ゴロに打ち取って逃げ切った。

 4回戦の西南学院戦から4試合連続完投。準々決勝の飯塚戦から中1日だったため「疲れがあってコンディションは万全じゃなかった。直球が荒れていた」とこの日はカーブ、カットボールなど変化球中心の投球を見せ、万全ではないながらも九州産業打線から9奪三振を奪い、味方打線の援護を呼んだ。

 昨秋は福岡大会5回戦の筑陽学園戦で19奪三振と力投しながらも1―3で敗れた。冬の間は体重増加に取り組み、昨秋から8キロ増えた。「下半身が大きくなって球速の平均が上がりました」と成長の手応えはある。川口寛史監督は「調子が悪いときも、その日のいい球を使ってうまく投げられるようになった」とエースの成長を認めた。

 1週間で500球以内という球数制限があり、ここまで完投が続いたエースが春日との決勝で投げられるのは約50球以内となる。「夏のためにエースに続く投手が必要なので経験させたい」と川口監督は境利には負担をかけない考えだ。次に思い切り投げるのは九州大会の舞台。「レベルの高いチームに負けないような投球をしたい。楽しみです」と福岡のドクターKは次の舞台を見つめた。(前田泰子)