◆ソフトバンク6―3日本ハム(11日、北九州)

 チームにとっても、苦しむ4番自身にとっても大きな一打となった。1点を勝ち越した直後の7回2死二、三塁、山川はマーフィーのツーシームを左前に運んだ。2人が生還し、適時打2本で移籍後自己最多の3打点。「修正をちょっとかけた。そこが今日は良かった」と安心したような表情を見せた。

 悩んだら即行動に移した。4度の得点機すべてで凡退した9日の日本ハム戦(熊本)を終えた後、チームは福岡へ。山川はペイペイドーム内で打撃練習に取り組んだ。「迷ったが、やっぱり打とうと思って」。内容は明かさなかったが、午前1時近くまで技術面の修正に取り組んだ努力が結実した。

 初回には北山のフォークを捉え、14打席ぶりの安打となる同点の左越え二塁打とした。それでも「今日だけで判断はできないので、また明日も1打席ごとにしっかりやっていきたい」と決して満足はしていない。

 12日からは山川の古巣西武の本拠地ベルーナドームで3連戦。小久保監督は「山川もほっとしたんじゃないですかね」と思いやり「西武は投手陣がいい。より打線が機能しないと」と奮起を促す。山川は「(12日の先発今井と)球界を代表するすごい投手になって対戦するのは楽しみだし、嫌だし」。かつてのホームでの戦いに向け、闘志をたぎらせた。(鬼塚淳乃介)