◆明治安田J1第8節 福岡1―1広島(13日、ベスト電器スタジアム)

 ウイングバックの湯澤聖人が圧巻のパフォーマンスで、シャハブ・ザヘディの先制ゴールをアシストした。前半22分、右サイドで競り合いを制し、ペナルティーエリア付近まで運んでクロスを上げると、ファーサイドのザヘディがヘッドでたたき込んだ。

 体勢を崩しながらのクロスになったが、練習や映像などで「シャハブの位置がだいたい分かるので感覚的に」と湯澤が言えば、ザヘディは「ボディランゲージなどで、ここにくるなというのは感じ合いながらプレーできている」。あうんの呼吸が生んだアシスト。後半にも湯澤のクロスからザヘディがダイレクトボレーをたたき込んだが、ゴールはならなかった。

 昨季の終盤はけがもあり「自分的にいいプレーできなかった」という。昨季リーグ最終戦は広島を相手に後半の追加タイムに失点して敗れた。「僕のパフォーマンス的にも逃げのプレーというか、アグレッシブにいけずに。なんか、もやっとするようなパフォーマンスで終わってしまった。同じことを繰り返さないように、チャレンジしていけたらなと思いました」。

 福岡加入5年目。移籍前は不調に陥ると思い悩むことが多かったが、アビスパにきて「少しは変わった」という。流通経大時代も同級生だった山岸(現名古屋)と大学時代以来、同じチームになり、「『ため息つくなよ』って、よく怒られたというか、教えられたというか」

 心身ともに復活を遂げたサイドプレーヤーは「うちは中(央)で合わせられる選手が1トップにそろっている。もっと僕のポジションの選手が頑張らないといけない」とアシスト量産を誓った。(向吉三郎)