◆西武5x―4ソフトバンク(4日、ベルーナドーム)

 ソフトバンクの倉野信次投手コーチ(49)が、7回で降板したリバン・モイネロにさらなる奮起を促した。自己最多となる115球の熱投も8安打を許し、先発転向後ワーストの4失点(自責1)だった左腕への〝愛のむち〟を「乗り越えてほしい」という言葉で表現した

 「あの7回を0点で帰ってくるか、点を取られて帰ってくるかで、この先勝てる投手になれるかどうかの差が出ると思う。そこは乗り越えてほしかった思いはあります」

 西武今井達也との投げ合いで、6回までに102球を投じていた。先発転向後の最多は4月27日の西武戦での108球。継投の選択肢もある球数だったが、首脳陣は同点に追いついた直後の7回のマウンドに送り出した。スタミナなども見極めた上での判断であったが、より「骨太」な先発投手に育ってほしいという思いを込めた続投でもあった。

 結果を言えば、7回は2死二塁から源田壮亮に勝ち越しの適時三塁打を許した。倉野コーチは「100%ではなかったとは思うけど、本調子じゃないなりの投球はしてくれたかなと思う」と責めることはなかった。

 チームの18勝のうち、安定感がある先発陣に計11勝の白星がついている。好スタートを切ったチームをさらに勢いづけるには、モイネロと同様に今季から転向した大津亮介ら先発経験の浅い投手の成長は欠かせない。

 既に3勝を挙げている大津も3日のカード初戦で6回1失点と力投しながら、打線の援護にも恵まれずに今季初黒星を喫した。倉野コーチは試合後に「乗り越えてほしい」と望み、この日のモイネロにも同じ言葉でハッパを掛けた。勝利の追求と並行して、将来を見据えた育成も続いている。(鬼塚淳乃介)