◆RKB×三井松島レディース最終日(12日・福岡県福岡CC=6305ヤード、パー72)賞金総額1億2千万円、優勝2160万円、出場36選手、雨、気温19・2度、南東の風7・9メートル、観衆1285人

 強い雨と風の中、最終18番(パー5)で1メートル弱のウイニングパットを決めると、岩井千怜(21)は高々と両手を挙げてギャラリーの声援に応えた。2年連続で母の日に優勝。母の恵美子さん(49)に「母の日に最高のプレゼントを贈れたと思います」と満面に笑みを浮かべた。

 7アンダーの首位で並んだ山下美夢有、佐久間朱莉と最終組でラウンド。2番(パー3)でバーディーを決めて勢いに乗ると、前半だけで4バーディー。11番(パー5)でボギーをたたくも、13番、18番のバーディーで取り戻し、通算12アンダーの204でフィニッシュした。「雨の影響は感じなかったが、ドライバーが左に飛ぶことが多かった。外したときのアプローチとパットが良かった」と勝因を振り返った。

 204ストロークは、大会会場が福岡CCに移った2012年以降のトーナメントレコード。昨年の大会で自身と双子の姉の明愛、山下がマークした205を更新した。3月の開幕戦ダイキン・オーキッド・レディース以来の今季2勝目はツアー通算6勝目。ポイントランキングと年間獲得賞金もトップに躍り出た。

 強さの理由を「以前より状況判断がうまくできるようになった。(クラブの選択で)ちょっとイメージが違うなと思ったら持ち替えるとか、そういう直感というか、判断がうまくマッチしている感じがする」と語る。昨年のプレーオフで姉とともに見せた「直ドラ」など積極果敢な姿勢に加え、安定感と修正力も備わった。

 年間女王の座を意識するかとの問いには「まだまだこれからだし、1位を死守したいという思いもない」と謙虚に語り、「笑顔を誰かに届けたり、パワーを与えたりという思いがある。元気はつらつとプレーをしていきたい」とほほ笑んだ。(山崎清文)