◆ソフトバンク3―2西武(18日、みずほペイペイドーム)

 小久保ホークスにとっては痛快の1勝となった。1点を追う8回。5番近藤健介が試合をひっくり返す一発を放った。2戦連発となる6号逆転2ラン。西武にしてみれば必勝継投に入っての逆転負けとあって、痛恨の1敗となった。自力Vの可能性も消滅したことでWショックの逆転負けだろう。

 「この勝ちは大きいよ。ましてや逆転2ランだもんな」。試合後、王球団会長は意気揚々と球場を後にしたが、それも当然の勝ち方だった。近藤は、7回の守備で先頭中村剛也が放った左翼フェンス直撃の一打を素早い処理で単打に防ぐ好守備も見せた。卓越された打撃だけでなく守備でも勝利に貢献できるところが、この男の強みだ。

 そんな近藤の攻守にわたる活躍で得た最少リードを守り切ったのが、守護神のオスナだった。9回。安打と盗塁で得点圏に走者を背負ったが、最後は2回に逆転2ランを放っていた若林を右飛に仕留めて試合を締めた。

 試合展開が8回1死からの逆転とあって9回の登板準備は慌てそうなイメージを持つが、さすがは百戦錬磨の守護神だった。ブルペン担当の若田部投手コーチは「そこが抑えの宿命だけど、オスナは負けていても僅差であれば8回に一度肩をつくる。だから、バタバタしなかった」と舞台裏を明かしてくれた。リーグトップの11セーブ目は必然の結果だった。(石田泰隆)