元日の能登半島地震を受け、5月19日、新潟県上越市で津波を想定した避難訓練が行われました。能登半島地震では車の避難により渋滞が発生する中、訓練では徒歩での避難にかかる時間や車での避難の有用性について確認しました。

19日、上越市港町で行われた津波からの避難訓練。

これは今年1月の能登半島地震を受けて避難方法などを再確認するために企画されたもので、約150人の住民が参加しました。

【港町災害対策委員会 泉秀夫 会長】
「今回は車を混ぜての避難訓練をして結果を見て、今後、車を使うのか、使わないのか、今はまだ真っさらな状態」

能登半島地震の際、港町では津波警報が出ても避難しない人がいたほか、市内では避難する車で渋滞が発生しました。

【今井健次さん】
「小学校に避難しようと思ったら(津波が)横から来てしまったからだめで、じゃあ逃げよう、高台に避難しようと。妻が車をすぐに出した」

今井健次さんも能登半島地震では車で避難。病気のため酸素ボンベが欠かせず、歩いての避難は困難です。

【今井健次さん】
「きょうも広い道を行くように心がけている」

訓練は地震により大津波警報が発表された想定で行われ、住民はそれぞれ避難を開始。今井さんも車で避難場所の小学校へ向かいました。

【記者リポート】
「避難先の小学校です。避難開始から約10分、すでに多くの人が学校の屋上に集まっています」

【参加者】
「久しぶりに足が震えている、こんなに歩いたから」

【参加者】
「持ち物を少しは準備して、背負って出られるような準備をしなければと思った」

【今井健次さん】
「一息、一息…(休憩)」

今回の訓練では、地震発生から参加者の約7割が10分以内に避難場所に到着しました。

【今井健次さん】
「車でなくては絶対だめ。車の移動が欠かせない、そういう人もいることを考えてもらいたい」

【港町災害対策委員会 泉秀夫 会長】
「やはり(訓練を)繰り返しやることに尽きるのか、今回の結果をみんなで議論したい」

港町は訓練の結果を今後の避難方法や防災活動に生かす考えです。