皆さんは家に薬が残っていませんか?
自宅に眠る薬を有効活用しようと大分市であるバッグの配布が始まりました。
70代
「5日なら5日分は全部飲まないといけないと言われてちゃんと最後まできちんと飲むようにしている」
30代
「解熱剤を3日分もらっても2日で熱が下がったら捨てるのももったいなくてなんとなく取っている」
飲み忘れや飲み残しで家に眠る薬を活用するため、4月から大分市薬剤師会が配布しているのが、その名も「お薬たちバッグ」。
日常的に薬を服用している人に無料で配っています。
大分市薬剤師会 多森直樹副会長
「団塊の世代が高齢化して医療費が膨らんでいる。中で少しでも医療費の削減に貢献するのはこれから進めていくべき」
「お薬たちバッグをお持ちなのでちょっと見せていただいてもいいですかね?余っている薬は中身を確認してそれで調整できるか確認しますね」
こちらの男性は自宅に残っている薬をバッグに入れて薬局に来店しました。
患者
「結構いろいろな病気をしたので薬が余るというかたまるので調整してもらえるのは大変ありがたい」
このお薬たちバッグ、患者も国民の税負担にも助かる仕組みがあります。
高齢化社会だからこそ普及させたい目的とは?
薬代の削減に?お薬たちバッグとはどんなものなんでしょうか。
医療機関で医師の診療を受けた時に症状に合わせて処方箋をもらいますよね。
薬局に処方箋を出すときに薬剤師が「お薬たちバッグ」を見て
もし残っている薬があれば医師に電話で相談をして処方する薬の量を調整します。
大分市薬剤師会多森直樹副会長は「薬が余っている」「飲み忘れた」と医師に言いにくい場合もある。
そんな時に代わりに薬剤師がバッグの中を見て判断できると言います。
残ってしまいやすい薬はこんな種類です。
便秘薬や高血圧の薬など個人で症状の改善を判断しがちな薬や症状に現れにくい薬などは要注意です。
また薬の飲み残しは特に高齢者に多く、理由としては「複数の病院に通い処方される薬が多い」「飲むことを忘れやすいこと」が考えられます。
ではこのお薬たちバッグで薬代はどのくらい削減できるのでしょうか。
大分市薬剤師会が5カ月間、199人を対象に調べたところ合わせて57万4723円が削減できたということです。
この額は1人当たりにすると2888円の削減となります。
患者にとっては医療費が減らせて家計に優しい、国にとっても医療費の負担が減り財政のひっ迫を抑えられることが期待できます。
例えばこんなこともできるようになります。
バッグに薬を持ってきて「前に処方されたこの薬飲んでもいい?」と相談すること。
多森副会長によると「薬の袋にはロット番号が書いてあり使用期限の照合が出来る。バッグごと持ってきてくれれば助言できる」そうです。
ちなみにあくまでも1つの目安ですが薬の期限は1年半〜2年ほどです。
まずは薬を持ってきてもらうことが健康や生活習慣について薬剤師と患者でコミュニケーションをとるきっかけになるということで、お薬たちバッグを活用してほしいですね。