優れた創意工夫で技術の向上に貢献した人に贈られる賞に大分県中津市の女性が選ばれました。

文部科学省の創意工夫功労者賞を受賞したのは、TOTOサニテクノ中津工場に勤める三原和子さんです。三原さんはトイレの便器を組み立てるラインで働いていて、製品を自動で持ち上げる装置など自ら作った7つの道具で作業時間を10%以上短縮させたということです。

TOTOサニテクノ 三原和子さん

「こういう大きなところで私の改善が評価されたというのは本当に嬉しいこれから若い人たちに改善の楽しさや素晴らしさを伝えていけたらいい」

(小栗琴音アナウンサー)

創意工夫功労者賞とはどういう賞なのか、詳しく見ていきます。

創意工夫功労者賞は1960年から始まったもので、職場の作業効率を向上させるなどのアイデアを考えた人を文部科学省が表彰しています。

2024年は全国で469人そして大分県内では5人が受賞しています。

ではどんなアイデアが受賞しやすいのかというと、時代の流れを捉えた課題解決策が選ばれているようです。

例えば2024年度は6人での作業を4人でできるようにした、小さな工夫で現場の大きな負担軽減が図れたなど、やはり近年は深刻な人手不足やコスト削減に貢献したアイデアが多く受賞しているんです。

大分県内ではこれまでどんなものが受賞したのか具体的に見ていきます。

2014年度には港のごみを取る機械や、2016年度には柚子こしょう専用の充填機を改良したアイデアなどが受賞しています。大分ならではですよね。

そして2024年度受賞したうちの1つが、電池を梱包するために使うテープカッターの改良です。

エフサステクノロジーズ太陽という会社のものなのですが、こちらでは障がいのある人が多く働いています。

電池の梱包にテープを使っているのですが改善前は両手で押さえて貼っていたので時間がかかっていました。改善後はこちら、粘着面の表裏を逆に、つまり上向きにしたんです。それによってこのように片手で製品を回転させるだけでテープを貼ることができるようになりました。

この工夫で作業時間は3分20秒かかっていたのが50秒に短縮されました。

この改良で手に障がいがある人でも作業ができるようになりました。

現場では作業スピードが上がって大量依頼が来ても怖くなくなったという声が寄せられているそうです。

大分には様々なものづくりの技術がありますが、それを支えているのはこういった日常のちょっとした工夫なのかもしれません。