大分県別府市で2日間行われた将棋の名人戦第4局。
豊島九段が藤井八冠に勝利し、決着は第5局以降に持ち越しとなりました。この週末、市内は名人戦に沸きました。
金曜日に大分入りした藤井聡太八冠と豊島将之九段は人気の観光地、海地獄を見学した後、前夜祭に参加し地元の人や大分県内外の将棋ファンに出迎えられました。
(地元の人)
「主人が大ファンで。Qたまに観ている? たまにではなく(対局は)毎日観ている」
「歴史に残る一局かと思ってあと一勝勝てばというところがワクワクする」
藤井八冠はここまで豊島九段に3連勝していて、名人戦の初防衛に「王手」をかけて臨む一戦です。名人戦の対局はもちろんですが、棋士に提供される食事やおやつ、「勝負めし」でも熱い戦いが繰り広げられました。
別府市は、グルメ18種類、スイーツ13種類、ドリンク7種類をメニューブックにまとめ、HPで公開したり駅で配布したりして市を挙げて注目の一戦を盛り上げました。
勝負は1日目から激しく駒がぶつかる展開。
2日目の夜まで互角の戦いが続きましたが、終盤、攻めをしのいだ豊島九段が寄せ切り、95手で藤井八冠を投了に追い込みました。
(豊島将之九段)
「第5局につながったのでよかった。自分なりに精一杯やりたい」
(藤井聡太八冠)
「すぐにあるので気持ちを切り替えて頑張りたい」
藤井八冠の名人戦初防衛の舞台とはならなかったものの、勝負めしを提供した地元の店には大きな反響があったようです。
(地元の人)
「今回別府で何を食べるんだろう 麺かなあ?」
「ノミネートされたのはこれだ!と買いに行ったらもうお客さんがたくさん来ていると言っていた。チーズケーキにあんこが入ったものやアップルパイ」
さらに注目を集めたお店以外にもある効果が??
(下野アナ)
フカボリです。
あれを食べるんじゃないかこれじゃないか、と予想を楽しんでいた方もいるかもしれませんね。
(浅見アナ)
2人を射止めた別府の勝負めしはどんなものだったか見ていきます。
まず1日目、最初に提供されたおやつはこちらでした。なんと2人とも同じものを選びました。
1日目の午前のおやつに提供されたのは別府市鉄輪にある食品の製造販売をする「南光物産」の「3種の柑橘」です。
提供されたのはザボンを砂糖と水あめだけで味付けした看板商品の「さぼん漬」と酸っぱい風味を生かした「かぼすグミ」、菓子の博覧会で受賞経験もある「ゆず一番」の3商品を特別にセットにしたものです。
土曜日の午後には早速、「名人戦セット」を購入しに来る客の姿もありました。
そして昼食に藤井八冠が選んだのは冠地鶏のかさね重豊島九段が選んだのは刺身の入った舟盛定食でした。
タイトル防衛がかかる藤井八冠が選んだ食事には店主のあるユーモアも込められていました。
1日目の昼食に藤井八冠が選んだのは別府市天満町にある日本料理の店「四季彩銀ノ塔」の「冠地鶏かさね重」です。
(小栗アナ)
「やわらかいショウガがとても効いています。しっかり味もついていて噛めば噛むほど鶏の旨味が感じられます。下のご飯には鶏が混ざっていて鶏飯になっていますまさに鳥づくしの一品ですね」
(四季彩銀ノ塔 山口慎市代表取締役)
「冠地鶏と藤井八冠ということで鶏を8切れ使っていまして実際は八冠地鶏重です」
もも肉はタレ焼きでむね肉は生姜焼き。
ご飯は杵築市の山香米で県産食材にこだわった一品です。
提供後、20日までに80件ほどの問い合わせがあったということです。
名人戦のために今回特別に考案したメニューですが、しばらく予約制でお店で出す予定です。
そして午後のおやつには、藤井八冠はあんこチーズケーキ、豊島九段は元祖地獄蒸しプリンと地熱ビネガーを選び、地元の食で英気を養いながら対局は進みました。
2日目です。
午前中のおやつに藤井八冠は元祖地獄蒸しプリン。豊島九段はわらび餅でした。
昼食は藤井八冠には別府冷麺、豊島九段には、はもの丼が提供されました。
午後のおやつには藤井八冠がかるかん饅頭、豊島九段は再びプリンでした。
名人戦は2日間各9時間の持ち時間で、ドリンクを含め別府グルメ27食が提供されました。
藤井名人は冷麺,地鶏,チーズケーキなど比較的多様なラインナップ、豊島九段はプリンと魚料理が2回ずつでした。
傾向を読み解くと、和食やあっさり系が好まれたのか?ということが分かります。
事前に「選ばれる自信はある」と話していたてっぱん焼き・作の稲垣シェフはこのようにはなしていました。
「残念だったが候補に選ばれたことで来店してくれたお客さんがいてうれしかった」と話していました。
また、メニューブックに掲載されたお店を取材するとこんな地元の方もいました。
「将棋は詳しくないがミーハーなのでメニューブックのお店のグルメを食べて回った。改めて別府のおいしいグルメを知ることが出来た」
別府市での71年ぶりの対局は大いに盛り上がったようです!