海上保安庁の新しい大型巡視船が完成し、3月14日、玉野市で進水式が行われました。中国などが領有権を主張する東シナ海の尖閣諸島の警備に導入されます。

白い船体には、「JAPAN COAST GUARD」、そして大型巡視船を示すアルファベットと番号が書かれています。

(前川裕喜記者)
「船の底の部分や船を動かすスクリューなどの撮影は認められず、機密性の高い船だと分かる」

14日は神戸市の第五管区海上保安本部や玉野市に造船所を持つ三菱重工マリタイムシステムズの関係者などが、厳戒態勢の中、進水式を行いました。

船は121億円かけて建造され、長さ120メートル、幅14メートル、総トン数は3500トンです。ヘリコプターを搭載しない船としては、海上保安庁で最大級で、25ノット以上の速力を持ち、遠隔で操作できる放水銃や停船命令の表示装置などを備えています。

尖閣諸島周辺の領海警備や犯罪の取り締まり、救助の任務を担い、九州南部の地名から「あまみ」と名付けられました。

尖閣諸島警備の主力となる3500トン型の巡視船は、2020年以降4隻目の建造となり、玉野市での建造は今回で3隻目となりました。海上保安庁ではあと4隻建造する計画で、引き続き玉野市での建造に期待が高まっています。この造船所では防衛省の艦船も建造していて、安全保障環境が激変する中、岡山から最前線へのアプローチが続いています。