能登半島地震で被災した石川県七尾市の親善都市である丸亀市で5月、人気ユーチューバーらによるサッカーのチャリティーマッチが行われました。得られた収益の全てが義援金として七尾市に送られるこのイベント。企画した男性の思いを取材しました。

5月12日、丸亀市のピカラスタジアムで行われたサッカーのチャリティーマッチ。サッカー元日本代表の武田修宏さんや人気ユーチューバーのマキヒカさんらが2000人を超える観客を沸かせました。

(石川県復興チャリティーマッチ実行委員会 川田智裕代表)
「イベントが盛り上がれば復興につながっていくと確信しているので、やって良かった」

5月2日。イベントの開催に向けて打ち合わせをする男性たち。中心となって話すのが、実行委員会の代表、川田智裕さんです。普段は、丸亀市の給排水設備会社、「京極」の社長を務める川田さんが、今回のイベントを企画したのは、石川県で働く知人の被災がきっかけでした。

(川田智裕代表)
「元日の午後4時過ぎくらい、地震が起きてすぐにLINEで『何人くらいが珠洲市で取り残されている』『陸路が絶たれた』『ガソリンがない』『電池が切れる可能性がある』などどんどん来ていたので、何かしないといけないと感じた」

元日の石川県を襲った能登半島地震。最大震度7を観測し、災害関連死を含めてこれまでに245人が死亡しました。1974年に丸亀市の親善都市となった七尾市も大きな被害を受けた場所の1つです。

川田さんたちは、被災地に支援物資を届けるボランティア活動を通して、復興への思いが強くなったと言います。

(川田智裕代表)
「被災した人の身になって自分が被災した時に何が困るかなど、身ひとつで出た人もたくさんいると思うので、最低限生活ができる支援ができたらと思い持って行った。家に帰れていないとか生活困難になっている人もたくさんいるので、(チャリティーマッチが)何か1つ足しになればと思う」

迎えたイベント当日。

(川田智裕代表)
「審判が座るベンチが今回は解説席になるので、こっちの方がいい。選手はその横を通ってくる」

企画から運営まで全てを自分たちの手で行うこのイベント。手探りの状況で始まりましたが、復興への思いに共感し市の内外から約200社の協賛が寄せられたほか、地元の中高生など約100人のボランティアが集まりました。

(円陣ON)
「頑張っていきましょう!」

キックオフの3時間前。長蛇の列ができた会場には、七尾市に届けられる募金箱やメッセージボードが設けられました。そして、能登半島地震が発生した午後4時。

(黙とう)

イベントには若者から支持を集める人気ユーチューバー、「夜のひと笑い」さんらも登場し、いよいよチャリティーマッチがスタートです。

(川田智裕代表)
「日本はそんなに大きい国ではないが、災害が各所で多発している。その時に災害を受けていない人たちが『何か支援できないか』という気持ちを持てるのが日本人の素晴らしいところだと思う。自分たちがいつ被災するかも分からないので、つながりを今後も持っていきたい」

試合が終わると、会場は盛大な拍手で包まれました。

(チームマキヒカ 置田竣也選手(石川・星稜高校出身))
「一人一人の思いが七尾市に絶対届いていると思うので、早く復興を前向きに頑張ってほしい」

川田さんの熱い思いから始まったチャリティーマッチ。集まった約200万円の収益は義援金として、5月17日に七尾市に届けられます。