電動車椅子のバッテリーの目視確認ができないとして、台湾在住の女性が那覇空港で格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーション便に搭乗できなかった問題で、同社は17日、確認方法の変更を検討していると明らかにした。ピーチの担当者は「障がいのある方への合理的配慮の観点から、確認や案内方法を検討していく」と述べた。

 一方、ジェットスターも現段階では目視確認が前提になっていると本紙の取材に回答した。バッテリーの現物確認が必須ではないとの国土交通省の通知を踏まえ、現在対応を検討している。これまでに確認できず搭乗を断ったケースはないという。

 本紙が那覇空港を発着する国内の主要航空会社に確認したところ、ANAグループ、スカイマークはいずれもバッテリーに関する書類や本人への確認で搭乗可能と回答した。

 ANAは目視確認ができなかった場合、「仕様書や取扱説明書などを事前に送ってもらい、本人やメーカーに確認した上で予定便に搭乗できるよう対応している」とした。出発までに詳細情報が確認できず予定便に間に合わなかったことや、車椅子だけ別便で輸送した事例があると説明した。

 スカイマークは目視確認できない場合、「書類または旅客の申告に基づき輸送の可否を判断する」と回答。これまで電動車椅子の搭載を断った例はないとした。

 これまで、日本航空(JAL)グループとソラシドエアも仕様書や取扱説明書で確認できれば搭乗は可能と回答している。(社会部・大野亨恭)