救急活動のDX化で迅速な救命措置につなげます。

那覇市消防局は、救急搬送の際に患者の情報を医療機関とリアルタイムに共有する新たなシステムの実証実験を始めます。

那覇市の去年1年間の救急出動件数は2万3,701件にのぼり2年連続で過去最多でした。

こうした中、救急の現場では患者の情報を医療機関に伝える際手書きの記録票や電話のやりとりが主なため、救急隊員の負担が増大し課題となっていました。

デモンストレーション:「こんにちは救急隊です。」「名前と年齢を教えてください」患者役「那覇市太郎です。」

今回、市消防局が実証実験を行う救急搬送支援システムは、患者の症状などの記録を全てデジタル化し、この中では脈拍や血圧を画像からAIで自動入力するなどして医療機関と情報をリアルタイムに共有できます。

デモンストレーション:救急隊員「病院到着まで約10分です。受け入れ可能でしょうか?」病院側「はい。傷病者情報はデータで確認済です。」

去年、患者を医療機関に運ぶまでの平均時間は33.6分かかり、また受け入れを照会した回数が「4回以上」かつ、現場の滞在時間が30分以上だった搬送困難事例は172件ありました。

システム導入でどれだけ時間を短縮し迅速な救命措置につなげられるかが期待されます。

▽那覇市消防局 上原立也局長:
「電話や手書きだった救急業務をデジタル化することにより、1件あたりの救急出動時間が短縮されるので、業務を早く終えた救急隊が速やかに次の業務に移ることができる。」

実証実験は8つの医療機関の協力を得て今月16日から来月27日まで実施されます。