2025年夏に沖縄本島北部で開業を予定しているテーマパーク「ジャングリア」の運営会社、ジャパンエンターテインメントが2024年4月24日、初めてとなる単独採用イベントを那覇市泉崎の那覇オーパ内O2オキナワオフィスで開催しました。先着30人の定員に申し込みが殺到し、会場には50人弱が詰めかけました。同社のうちなーんちゅ社員が入社を決めた理由を話したほか、来場者の質問に次々と答えていきました。

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イベントは、ジャパンエンターテインメントの人事総務本部人事責任者、岩崎司さんが司会を務めました。前半は、同社がジャングリア開業で成し遂げたいことや同社の採用計画などを、岩崎さんが説明しました。

説明会開催時点の同社社員数は約60人。約1年後の開業時点での雇用数は約1300人を想定していると説明しました。事業者の99.9%を中小企業が占める沖縄県内において、大きなインパクトとなることが容易に予測できる雇用想定数です。

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同社は五つの本部で構成され、その中でも「オペレーション本部」だけで1000人以上を採用する予定です。オペレーション本部の中のオペレーション部は、テーマパーク内でゲストに一番近いところでサービスを担う部署です。エントランスやアトラクションの案内、セキュリティ、ショーの運営、出演者の衣装管理など、現場の運営を最前線で担うスタッフだけでも、多くの人数を必要とすることが分かります。

岩崎さんは「求める人材像」について、こう説明します。

「この会社は『沖縄から日本の未来をつくる』という大義を掲げています。(求職者が有する)スキル以前に、このミッションにどれくらい共感していただけているかが大事です。沖縄をもっと良い島にしたい、そこから日本をもっと元気にしたいという思いを持っている方、会社が掲げる大義に惹かれる方が一緒に働く仲間なのかなと思っています」

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ジャングリアの開業・運営を通し、同社は、1.アジア圏の観光客のさらなる誘致 2.沖縄観光の滞在日数と消費単価の増加 3.観光人材不足の解消―といった、沖縄観光の課題解決を図っていきたい狙いがあります。

同社へ転職を決断した理由とは?

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イベント後半の県出身社員によるトークセッションには、沖縄市役所から転職した事業開発本部ディレクター、宮里大八さんと県外大手人材会社から転職した人事総務部採用担当、小波津麻子さんが登壇しました。

2人とも安定した勤務先からの転職。決断した理由を尋ねる質問に対し、本部町出身の宮里さんは「地元であるやんばるに貢献したいという思いがあった」と話し、小波津さんは「私自身がやりたいと思っていたビジネスモデルをやろうとしている企業だったので、自分の思いを形にできるチャンスは今しかないと思った」と説明しました。

業務内容や働き方に関する質問、続々

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トークセッションは、会場からの質問に答える形式で進んでいきました。以下、会場からの質問と登壇者の回答をQ&A形式で紹介していきます。

―どんな勤務形態ですか。リモートワークやフレックスタイムは導入していますか。
岩崎さん
「開業前と後では、働き方は大きく変わると思います。私の場合、今は採用活動がメインなので、県外にも移動しやすい那覇市を拠点にしていますが、開業が近づけば、テーマパークの近くに引っ越すことになると思います。多くのメンバーは毎日、名護市のオフィスに出社して、開業に向けた準備を進めています」

小波津さん
「私は週のうち約3日は出社し、あとはリモートで働いています。採用担当なので、他の社員ともできるだけコミュニケーションを取りたいと思い、オフラインで会う機会を多くつくっています」

宮里さん
「私が在籍する部署は、普段は名護市のオフィスに通い、商談ごとにさまざまな場所に出向きます。移動中にリモート会議に参加するなど、働く場所を問わず、それぞれのミッションに向けてフレックスで働いています」

―給与や待遇面を教えてください。
岩崎さん
「給与などに関しては、HPの採用情報をご確認いただければと思います。待遇面に関しては、開業前でまだ売上ゼロの会社のため、正直これからだと思います。ただ、テーマパーク周辺へ引っ越ししやすいように支援制度を設けるなど、できる範囲のことをやっています。持続的に稼げるテーマパークをつくれたタイミングで、待遇面も良くなっていくのかなと思っています」

―1300人は正規雇用ですか。
岩崎さん
「契約社員やアルバイトも含めて、さまざまな雇用形態で1300人と考えています。テーマパークが安定して稼働するようになると、正社員の割合を増やしていけるのではないかと思っています」

兼業OK? 社内の雰囲気は?

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―本業を続けながら、週の半分だけ勤務することは可能ですか。
宮里さん
「この事業に没頭し、まい進してほしいので、その本業にもよりますが、兼業・副業で業務にあたるのは難しいのではないかと思います。ただ、持っているスキルを会社に生かすことができるなら、交渉する余地はあるのかなと思います」

―県内企業とは、社内の雰囲気は違いますか。
宮里さん
「以前の勤務先の沖縄市役所では、後輩をファーストネームで呼んでいて、友達や家族のように話していました。この会社では、年齢に関係なく「さん」付けで、立場の上下を問わず、意見を聞き、取り入れる。一緒にこの会社を盛り上げていこうという雰囲気なので、私はすごく働きやすいです」

小波津さん
「入社前は『スペシャリストが多いから、厳しい人ばかりじゃないかな』と心配していましたが、ミッション、目的が一緒なので、実現に向かってみんなで頑張ろう、助け合って各々の強みを生かしていこうという方が多いので、私もすごく働きやすいなと思っています」

「テーマパークがあってよかった」が目標

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―5年、10年後の目標を教えてください。
宮里さん
「地元やんばるのために頑張りたいと思っているので、地元の子どもたちが『テーマパーク、あってよかったね』と笑顔で話したり、『テーマパークで働きたい』と言ってもらえたりするようなものをつくりたいと思っています。やんばるだけじゃなく、沖縄全体もしくは日本からも『あのテーマパークいいよね』と言われるようにしたいです」

小波津さん
「宮里さんと重なりますが、『このテーマパークができてよかった』と県内外の方から言ってもらえるテーマパークであり続けたいです。加えて、キャリア教育の観点から、このテーマパークでのインターン経験が成長につながったという報告を聞くことができたらうれしいなと思います」

「強みを生かして、一緒に大義実現を」

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イベント終盤、宮里さんに呼ばれる形で、加藤健史代表取締役CEOが急きょ、あいさつに立ちました。「このテーマパークを通して『地域にある価値』を『消費者が欲しいと思う価値』に変えられるか。これが一番のチャレンジだと思っています」。そう切り出しました。

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加藤代表は言葉を続けます。

「世の中に良いものはたくさんあるが、買いたい、利用したい、遊びたいと思ってもらえない限り、発展には寄与しません。ジャングリアを通して、沖縄の素晴らしい魅力を世の中にどう伝えていくかを皆さんとやっていきたい。その結果によって、訪れる人も周辺に住んでいる人も一緒になって幸せになっていく。そんな大義を掲げています」

「その大義に賛同していただけると、大変ありがたいです。皆さんの持っている強みを生かして、大義実現に寄与していただけるよう、前向きに検討していただけたらと思っています」

来場者に採用申し込みを呼びかけ、その日の採用イベントは幕を閉じました。

2025年夏のジャングリア開業に向けて、ジャパンエンターテインメントは各地で説明会開催を予定していて、県出身者を含めて積極的に採用活動に取り組んでいく考えです。