史上最年少で第66回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を受賞した奥山大史監督の商業デビュー作、映画『ぼくのお日さま』の公開が決定し、この度、メインキャストを務める池松壮亮、主題歌を担当するハンバートハンバートのコメントが公開された。

監督の奥山大史は、大学在学中に制作した長編初監督作『僕はイエス様が嫌い』で、第66回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を受賞。長編2本目となる本作で、商業デビューを果たす。

本作は、雪の降る街を舞台に、吃音をもつホッケー少年のタクヤと、フュギュアスケートを学ぶ少女さくら、そして元フィギュアスケート選手でさくらのコーチ荒川の3人の視点で紡がれる物語。

奥山が子供の頃に約7年間フィギュアスケートを習っていた経験から、「雪が降り始めてから雪が解けるまでの少年の成長を描きたい」と本企画をスタートさせた。プロットを考える中でハンバートハンバートの楽曲「ぼくのお日さま」と出会い、その歌詞を聞いた途端「主人公の少年の姿がはっきり浮かび、物語がするすると動きだした」という。

主題歌でもある楽曲「ぼくのお日さま」は、ハンバートハンバートが2014年に発表したアルバム「むかしぼくはみじめだった」に収録されており、大切な楽曲ゆえにこれまで主題歌オファーがあっても断ってきたというが、奥山からの手紙を読んで、そのオファーを快諾した。

一方、本企画をスタートさせる前後に、奥山が総監督を務めた「エルメス」のドキュメンタリーフィルム「HUMAN ODYSSEY ―それは、創造を巡る旅。―」で池松壮亮と撮影を共にしたことで、池松の佇まいに魅せられたことをきっかけに、「夢に敗れた元フィギュアスケート選手のコーチ」という池松が演じたキャラクターが作られた。

本作は、釜山国際映画祭2022 で行われた世界40カ国288企画からなる「Asian Project Market(APM)2022」で「ARRI アワード」 を受賞しているほか、これまで濱口竜介監督、三宅唱監督らの作品を世界へ紹介してきたフランスの会社「シャレード」による海外セールスも決まっており、11月にフランスでの公開も予定されている。

【コメント】

▼池松壮亮
奥山大史という凄まじい才能に出会い、対話を繰り返し、共感し合い、共犯できた全ての時間に感謝しています。この世界の光の粒のような2人の才能に出会えたことにも感謝しています。今作を共に創り上げたスタッフキャストと共に、この素晴らしい作品を届けることができることを幸せに思います。この世界の雪解けを予感させてくれるような、あまりにもピュアで、心に響く映画になりました。是非楽しみにしていてください。

▼ハンバートハンバート 佐藤良成
奥山監督から最初手紙をいただきました。今作ろうとしている映画は、私の曲の中の「ぼく」から物語がふくらんだもので、主題歌にもその曲「ぼくのお日さま」を使いたいと。脚本や前作も拝見して、彼と是非仕事したいと思い快諾しました。出来上がった作品は、どのシーンのどのカットも実に美しい光と色で、こんな絵を撮る奥山監督は恐ろしい人だなと思います。自分の曲がこんなにも素晴らしい映画となって生まれ変わるなんて、本当に幸せです。

▼ハンバートハンバート 佐野遊穂
とにかく映像の美しさが印象的でした。どこを切り取っても儚さが漂っていて、監督のキャラクターがそこに一番現れてるように感じました。この楽曲の「ぼく」や、タクヤ、荒川コーチ、それぞれに小さな救いがあったように、この映画がまた誰かのお日さまになれば嬉しい事だと思います。

▼奥山大史(監督・撮影・脚本・編集)
いつの日か、子どもの頃に習っていたフィギュアスケートの映画を作りたいと思っていました。でもなかなか作れずにいました。ただ思い出を映像にするだけでは映画にならない、と頭を抱える日々でした。そんな時、「ぼくのお日さま」という楽曲に出会い、惹かれるまま毎日聴くうちに、全く新しい物語が動き始め、時を同じくして、池松さんに出会い、この方の魅力を映し出すことができたら、映画になると確信できました。この作品で商業映画に初挑戦できたこと、嬉しく思います。どうぞご期待ください。

映画『ぼくのお日さま』は、2024年秋 全国公開。

作品情報 映画『ぼくのお日さま』

雪の降る街を舞台に、吃音をもつホッケー少年のタクヤと、フュギュアスケートを学ぶ少女さくら、そして元フィギュアスケート選手でさくらのコーチ荒川の3人の視点で紡がれる物語。

監督・撮影・脚本・編集:奥山大史

出演:池松壮亮 

主題歌:ハンバートハンバート  
 
配給:東京テアトル 

© 2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINÉMAS

2024年秋 テアトル新宿、TOHOシネマズシャンテ ほか全国公開

公式サイト bokunoohisama