スタイリスト白幡 啓連載『THAT IS』
vol.64  バサッとにアレ

長かった冬もようやく終わりに近づき、ブランドの新作情報やトレンドキ−ワードが並び、春のファッション情報満載となった4月号。そんな季節の変わり目、おケイ先生にも心に決めたスタイルがあるようで……。今回はおケイ先生が今気になっているものを教えていただきました。

なぜ“それ”なのか?
違和感に宿るアイデンティティ

イヤーカフ各¥49,500、ピアス¥129,800、ブレスレット¥361,900、メンズニット¥130,900(全てジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー/ジルサンダージャパン)

季節が変わるタイミングって、自分の中で新しいアイテムを見つけたときだと思うわけ。大人になるとそう大きく趣味が変わるわけじゃないから「トレンドに合わせて、洋服全部取り替えました〜!」ってことも少なくなるじゃない? でもね、だからといって今の気分ってのに鈍感になっていくのは絶対にダメだって決めてるの。

イヤーカフ各¥49,500、ピアス¥129,800、ブレスレット¥361,900、メンズニット¥130,900(全てジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー/ジルサンダージャパン)

毎シーズン、ひととおりコレクションや解説を見てお勉強していく中で、好きなブランドからデザイナーが発信している“ヒント”を見つけるのが私のやり方なのよ。何十体もの新作のコーディネートを発表する中で、全てに共通するブランドならではのルールがあって。それが靴だったりバッグだったり、キャップだったりと、洋服以外のアイテムで表現されていることがとても多いの。それを持っているだけで“今季の気分”にアップデートしてくれる、実は脇役のようで主役のアイテム。季節が変わる、はじめの一歩っていう感じかな。





で、半年も前のコレクションを見ながら気になって、やっぱり欲しい〜! って思ったのが、ジル サンダーのクリスタルじゃらじゃらジュエリーだったの。ピタピタもスケスケもブカブカも(どれも今季の流行よ!)、全部をまとめるアイテムとして最高のパフォーマンスをするんじゃないかな? ってね。これから薄着になっていくし、すごく使えると思うの。

ネックレス¥753,500、イヤーカフ各¥49,500、メンズジャケット¥470,800(全てジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー/ジルサンダージャパン)、その他はスタイリスト私物

最近メンズのシャツやパンツ、ジャケットなんかを選ぶことも多くて、「今日はスケーターなの?」というようなラフなスタイルの日も、1点違和感を作り出すジュエリーがあれば、ここから広がる新しいコーディネートも生まれてくるってもんよね。


あー、このジュエリー、早く私のものにならないかしら……。

styling:KEI SHIRAHATA[LOVABLE] photograph:DAEHYUN IM hair:MIKI SAYUHDA make-up:SADAE SASAKI model:MAYUKO SEHATA

otona MUSE 2024年4月号より